Yuka Obayashi
[東京 11日 ロイター] - アジア時間11日の原油先物は下落。中国の需要減退懸念が相場の重しとなっている。一方、中東情勢やロシアを巡る地政学的リスクが意識され、下げ幅が限定的となっている。
0129GMT(日本時間午前10時29分)時点で北海ブレント先物は0.48ドル安の1バレル=81.60ドル。米WTI先物は0.50ドル下落し77.51ドル。
両指標とも先週は下落した。
日産証券傘下NSトレーディングの菊川弘之社長は、中国の需要減退懸念が石油輸出国機構(OPEC)と非加盟産油国でつくる「OPECプラス」の減産延長の影響を帳消しにしたと指摘。
ただ、地政学的リスクの高まりで下落幅が限定的になるだろうとした。
先週発表の米雇用統計は非農業部門雇用者数の伸びが加速したが、失業率が上昇し、賃金の伸びが鈍化したため6月の利下げ観測が継続した。
菊川氏によると、ロシアと周辺国との緊張の高まりも不安視されている。
旧ソ連圏の東欧モルドバのサンドゥ大統領は7日、フランスとの防衛協定に署名した。ロシアが情勢不安定化の取り組みを再開させているとし、「侵略者を止めなければ、侵略者は進み続け、前線は近づき続ける」と述べた。