Klaus Lauer
[ベルリン 26日 ロイター] - ドイツ経済研究所(IW)によると、ドイツの今年の失業者数はここ10年間ほどで最多となる見込み。景気低迷が労働市場にも打撃を与えつつあるようだ。
IWが26日に発表する調査結果では、今年の失業者数は平均280万人弱まで増加し、2015年以来の多さになる見込み。ただ、この数字は2005年のピークは大きく下回っている。当時は490万人近くが失業し、ドイツは「欧州の病人」と呼ばれていた。
IWの専門家、ホルガー・シェーファー氏は「昨年は不況にもかかわらず、労働市場はかなり安定していた。しかし今年は経済危機の影響をより強く感じている」と指摘。
シェーファー氏は、企業の雇用計画は年内の増員を見込んでいないとし、3月の新規求人数は過去5年間で最低水準に落ち込んだと語った。
IWはドイツの失業率が今年6%まで上昇すると予想している。
ドイツの他の主要経済機関は、今年の失業率は5.8%、来年は5.5%に下がると予想。政府向けの春季報告書では、今年の失業者数を270万人弱と見込んだ。