[１日 ロイター] - 格付け会社ムーディーズは１日、ブラジルの格付け見通しを「安定的」から「ポジティブ」に引き上げた。堅調な経済成長が背景。格付けは「Ｂａ２」に据え置いた。
財務省は発表を歓迎。ムーディーズによる格付け見通し変更は「ネガティブ」から「安定的」に引き上げた２０１８年以来と指摘した。また、持続可能な財政の道筋を追求するルラ大統領の姿勢を強調した。
ムーディーズは今年と来年の国内総生産（ＧＤＰ）成長率をいずれも２％前後と予想。複数政権で実施された構造改革や、将来の政策方針を巡る不確実性を減らす制度的枠組みにより、コロナ禍前と比べて経済活動の見通しが強まったとした。
また、ブラジルが緩やかながらも進めている財政再建が公的債務を安定させる可能性があると指摘した。
一方、格付けが投機的等級のＢａ２にとどまっているのは財政力がまだ比較的弱いことを反映していると強調。高水準の債務は経済・金融ショックの影響を受けやすいとした。