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再び円買い介入観測、2日早朝に推計3兆円超 今週計9兆円規模か

発行済 2024-05-02 18:14
更新済 2024-05-02 19:27
© Reuters.  5月2日、日銀は、7日分の当座預金残高の予想で、財政等要因が4兆3600億円の不足になるとの見通しを発表した。2023年3月撮影(2024年 ロイター/Dado Ruvic)

(見出しを修正しました)

Noriyuki Hirata

[東京 2日 ロイター] - 政府・日銀が日本時間2日に3兆円を超える規模の円買い介入を行ったとの推計が市場で出ている。日銀が同日公表した7日の当座預金予想は民間予測から大きく乖離(かいり)し、2日早朝のドル/円急落の背景に介入があったことが示唆された。4月29日にも5兆円以上の介入観測が浮上しており、1週間のうちに2回、計9兆円規模の介入に踏み切った可能性がある。

日銀は2日、金融機関の手元資金の総量を示す日銀当座預金残高で、7日に財政等要因が4兆3600億円の不足になるとの見通しを発表した。一方、東京短資など民間短資会社3社が予想する財政等要因の余剰・不足額は7000億円─1兆1000億円の不足で、介入額はその差額となる3兆2600億円─3兆6600億円規模となった可能性があると市場では推計されている。

市場では、差額から判断して「3兆円規模の介入があった可能性がある」(東短リサーチの高井雄一郎研究員)との見方が出ている。

ドル/円はニューヨーク市場の1日終盤(日本時間2日早朝)で急落し、市場では日本が祝日だった29日に続いて為替介入の観測が強まった。今回は米連邦公開市場委員会(FOMC)後にドルが下落基調となり、外為市場が米国からオセアニア・アジアへ移る取引量の少ないタイミングだった。米政府への配慮から介入しにくいとの見方がある時間帯でもあった。

三菱UFJモルガン・スタンレー証券の植野大作チーフ為替ストラテジストは、「祝日や平日、時間帯、市場も関係なく介入はあり得ると見せつける意図があったのだろう」と指摘する。

市場筋によると、売りは断続的にまとまった規模で出て、損失確定の売りを巻き込みながらドルは157円半ばから40分ほどで153.00円まで4円超下落した。

「FOMCを終えると米雇用統計まで2日あり、ドル/円のレベルを引き下げてイベントを迎えたかったのだろう。連休や雇用統計を前に、投機筋をけん制する意図もあったのではないか」と、あおぞら銀行の諸我晃チーフマーケットストラテジストは言う。

財務省は今回も介入の有無を明らかにしておらず、毎月の介入実績を5月末(4月26─5月29日分)に発表すると説明している。

29日はドル/円が160円に乗せた直後に急落。今回は157円半ば付近から1時間かからずに153円まで下げており、市場では150円台後半から160円前後が介入警戒ラインとして意識されそうだ。

上田東短フォレックスの阪井勇蔵営業企画室室長は、国内の連休や米雇用統計の発表を控えて「(投機筋の間では)本腰を入れて上値を試そうとする機運もあったようだが、これで安易に円ショートを持てなくなった」との見方を示す。

(平田紀之 編集:久保信博)

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