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SECがビットコインETFを認可する可能性は低くなっているのか?

発行済 2019-02-01 14:59
更新済 2020-09-02 15:05

1週間ほど前、VanEck/SolidXのビットコインETF(上場投資信託)のシカゴオプション取引所(CBOE)への上場申請は、CBOEの親会社であるCboe Global Marketsによって規制上の理由から取り下げられた。これは、上場認可による現在の弱気相場からの脱却を望んでいた仮想通貨投資家にとって、直近で起こった最大の痛手だろう。仮想通貨投資家は、安定的でよりリスクが低い仮想通貨への投資方法を模索していた従来型の投資家から追加の投資があることを望んでいた。

VanEckの最高経営責任者(CEO)であるJan Van Eck氏によると、今回の申請は米政府機関の一部閉鎖のため取り下げられたという。だが、米政府が完全に機能していた時でさえも、直近数年間で申請された類似ファンドによる申請は取り下げられていた。

米証券取引委員会(SEC)はすでに2017年以来9つの申請を取り下げているので、SECがこのような仮想通貨上場の申請に対する主な障害となっていることが分かるだろう。仮想通貨ETFが米取引所に上場するためには、何が必要なのだろうか?

Invictus Capitalの最高財務責任者(CFO)でありシニアアナリストであるKyle Cox氏は、VanEck/SolidXの申請取り下げはあったものの、米国において何かしらの形で仮想通貨ETFが実現するのは時間の問題であると考えている。同氏は、スイスで既に取引が行われている仮想通貨ETFのAmun Crypto Basket Index (SIX:HODL)の事例を挙げている。

同氏は、

「スイス当局によって仮想通貨ETFの商品が認可されたということは、仮想通貨ETFのような商品はすでに市場に存在していて、2018年後半に認可され、始動しているということだ。スイス当局は新しいアセットクラスに対して前進的な対応をしたと言えるだろう」

と述べている。

だが、同氏はSECが慎重になるのも理解できるという。同氏は、SECが投資家を確実に守るために市場管理、執行にかなり力を入れていると考えている。そう考えると、仮想通貨などの生み出されたばかりの資産や、それに基づくETFのような金融商品は、米国の厳しい規制下における多くの壁を乗り越えるために、何度も試行錯誤を繰り返さなければならないだろう、と同氏は述べる。

「間違いなく、SECの仮想通貨ETFの認可に対する懸念とためらいには理由がある。これらは全て、相場操縦や監視、取引システムにまつわる市場の不完全性によるものだ。幸運にも現在の市場では様々な進展が見られ、これによって同ETFへの懸念は将来軽減されることだろう。だが、市場では様々な機能が複雑に絡み合っており、不完全性のない市場になるためには多くの改善を必要とすることから、どのくらいの時期を要するかはわからない。」

仮想通貨ETFの世界的普及のためにキーとなる機関は米国なので、関係者は仮想通貨関連商品が米国で認可されるためには何をすればいいのかということに注目している。

Velocity Marketsの戦略・事業発展部長のChris Wittenborn氏は

「仮想通貨管理の問題が多くの注目を集めている一方で、規制当局が市場の監視に注力しているのも明らかである。私たちは、SECの公表文書を基にすると、SECは相場操縦をより確実に見抜けるような政策や手段を含めた、現在の管理体制よりも優れた管理体制を模索しているのではと考えている」

と述べた。

今回の申請取り下げは一時的

多くの人は今回の申請取り下げに対して不安を感じてはいない。仮想通貨のアルゴリズム取引を行っているGSRの仮想通貨トレーダー、John Kramer氏は今回の申請取り下げによってビットコインETFが認可される可能性が下がったということは絶対にないと考えている。

「最近の(報道)によると、VanEckはビットコイン上場申請を再提出する予定だという・・・(これは)一時的な取り下げである。これとは別に、VanEckはビットコイン先物の商品を2019年に出すための提携をNASDAQと組んだ。これには、より優れた市場管理体制を取ることによって、規制当局の仮想通貨市場では頻繁に相場操縦が行われているという懸念を軽減する目的がある。恐らく、米政府機関が機能停止せずに、NASDAQやインターコンチネンタル取引所(ICE)による仮想通貨決済プラットフォーム・Bakktなどの取引場所が、市場操作に対応できるより優れた市場ツールを使用したら、ビットコインETFの実現は、出来るか出来ないかの問題ではなく、時間の問題になるだろう」

だが、これにはどれくらいの時間がかかるのだろうか?Cox氏は当て推量はしない。Cox氏は推量は危険であり、全てではないかもしれないが、ほとんどの場合外れると警告する。

「これのいい例が最新の米大統領選挙だ。第一に、ほとんどのアナリストがトランプ氏の勝利を予想していなかった。それに加え、米国市場が上昇するとはほとんどの人が考えていなかった!」

だがもっと重要なのは、時間軸が明確になるまでに解決しなければいけない要因が多すぎることで、これは短期間で解決されるとは考えられない、とCox氏は述べる。

「多くの変数があり、その中で相関しているものも多い。そのため、いつになるか予測するのは難しい。その変数の中に、市場状況がある。市場状況は投資家の動向を反映しており、仮想通貨関連商品の確実性や収益性にも影響してくる。現在様々な要因があるが、主な問題はできるかできないかではなく、いつかである。投資家は、米国における仮想通貨ETFの認可が価格に対して長期間でどのような影響を与えるのか、過大評価に気を付けるべきであろう」

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