ビットコインは再び上昇しており、現在12000ドルを上回って取引されている。
しかし、2017年のバブルとは異なり、今回は熱狂的な暴騰という訳ではないようだ。
現在のビットコインにおける強気相場は2017年のバブルと何が違うのだろうか。
グーグルトレンド
2017年のバブルでは、主に個人投資家がビットコインを取引していたが、今回はどうなのだろうか。グーグルトレンドを用いて、明らかにしていこう。
1.「ビットコイン」検索数
2017年11月における「ビットコイン」という単語の相対数値(そのキーワードの人気度)は39であった。39という数値はピーク時の検索数を100とした時の相対的な検索数を示している。ちなみに、2017年12月に100となっている。現在の相対数値は12であり、前回11000ドルを上回った時の3分の1程度である。
2.「ビットコイン 買い方」検索件数
現在と2017年の最大の違いは「ビットコイン 買い方」という検索ワードで特に顕著である。この検索ワードから、ビットコイン投資を検討している新規投資家の人数を推測することができる。相対数値は2017年11月に41となり12月に100となっている。一方、2019年6月時点ではたったの5である。
この結果から、今回のビットコインの上昇には、個人投資家の影響が少ないことが分かった。
ビットコインのブロックチェーン
次に、ビットコインのブロックチェーンにアクセスし、アクティブアドレス数やトランザクションフィー、取引数、平均取引価格から現在のビットコインの上昇を検討していく。
3.アクティブアドレス数
アクティブアドレス数はビットコイン市場の参加者数を表している。2017年11月時点のアクティブアドレス数は115万件であった。一方、23日時点のアクティブアドレス数は87万5000件となっており、2017年11月と比較して24%少ないことが分かった。
4.トランザクションフィー
トランザクションフィーの平均価格からは、ビットコインネットワークの混雑具合を窺うことが出来る。マイナーはフィーの高い取引を優先するため、ネットワークが混雑している場合、フィーの平均価格は上昇するはずである。2017年11月のフィーは平均6.5ドルであったのに対して23日時点では2.3ドルとなっている。
5.承認された取引数
2017年11月の取引数は384000件であったのに対して、現在は177000件となっている。
6.取引サイズの平均値・中央値
取引サイズの平均値は2017年11月時点で2.2ビットコインであったのに対し、現在は0.82ビットコインとなっている。また、中央値は2017年11月時点で0.012ビットコインであったのに対し、現在は0.007ビットコインとなっている。このことからも、現在のビットコイン市場は以前ほど熱狂的でないことが分かる
結論
現在のビットコインの強気相場は熱狂的な上昇ではないと断言できる。ビットコインが年初来で207%上昇していることを考慮すると、驚くべき結論である。
現在のビットコインは個人投資家をよそに上昇している。また、ビットコインの過去を鑑みると、再び暴落することも可能性としては考えられる。
ビットコインへの投資に興味があるのであれば、市場の過熱を見極める必要があるだろう。