40%引きでご購読
新規!💥 ProPicksを手に入れ、S&P 500を1,183%を超える投資成績を実現した、戦略をご覧ください40%割引で開始

米企業の景気は6月に順調に回復【ISM景況指数】

発行済 2020-07-08 12:20
更新済 2023-07-09 19:32

20年6月のアメリカの景気はとても好調だったようです。

ISMが調査した米国企業が感じる景気を数値化したデータ(ISM景況指数6月分)は、新型コロナウイルス前の2020年2月に匹敵するほど強かったです。

都市封鎖を解除して、経済活動が順調に再開された様子が見えてきています。一気に活動を再開しすぎて、感染拡大を起こしているのがかなり心配ですが、ひとまず6月の景気がよかったことは朗報でした。

この記事のポイント

  • 6月のアメリカの景気はかなり好調だった。4-6月期の企業決算も期待ができる内容だった。
  • 景気刺激策で資金に余裕がある状態で、経済活動が再開できたことが6月の景気回復につながっている。
  • ただし、米国企業が雇用拡大にかなり慎重になっている姿勢が見えるので、このままでは好調の持続は難しい。雇用の回復が十分にないうちは、政府の追加の景気刺激策が必要かも知れない。
  • 経済拡大を急ぐあまり、新型コロナウイルスの感染拡大を招いている点にも注意が必要。

ただ、6月は順調に景気が回復していますが、以下の記事に書いたように個人的には今後は経済の回復が緩やかになるだろうと予想しています。

7月の最新の経済状況を追いかけているFRBの中には、景気回復の勢いが失われていると見ている主要メンバーもいるようです。

米景気回復は停滞している可能性─アトランタ地区連銀総裁=FT(ブルームバーグ)

パンデミックの状況での投資は経験がないだけに先が読みにくいのですが、株が下がれば買い増して、株が上がれば一部を株以外の資産に振り分ける投資で、ほどほどなリターンを狙いたいと思っています。

好調だった6月の米国企業


ISMは毎月アメリカ企業に景気アンケートを実施してISM景況指数として発表しているのですが、6月の米国企業が感じている景気はとても強かったです。

製造業・非製造業ともに6月の景況感は急回復しました。

ISM景況指数

米国企業が感じている景気は6月に急回復

※注意:上の図はあくまでも企業が感じている景気の良さで、売上や利益が新型コロナウイルス前に戻ったわけではありません。

好調の鍵は景気刺激策


6月の米企業の景気急回復は、4月後半から進めてきたアメリカの経済活動再開の動きが6月にさらに広がったことが大きいです。

しかし、商売を再開しても企業や個人の手元にお金がなかったら、ここまでの景気回復はできなかったと思います。FRBが企業に資金を貸し出したり、米政府が個人に給付金を配った効果が6月に現れたのかなと考えています。

FRBと米政府の資金供給が景気回復を早めた仕組み

もしも都市封鎖をしている間に、(下図の店舗Aのように)手元にお金がなくなった企業や個人がいた場合には、経済活動が再開しても資金不足で買い物ができない人が出てきて、経済はすぐに回復できなかったはずです(下図ステップ3でGDPが$200に戻らず、$100にとどまる状態)。

経済活動

今回のアメリカは都市封鎖をしていた4月に個人に給付金を配ったり、企業に資金を貸し出したりしたおかげで資金の枯渇が起こらなかったため、都市封鎖解除後に順調に経済が回復しつつあるようです。

経済活動2

このブログでは4月の時点で上の2つの図を使って、景気刺激策が十分でないと都市封鎖解除後の景気拡大は難しいと話ししてきましたが、6月は企業も個人も資金の枯渇をうまく防いで素早い回復を実現したようです。

懸念点は好調を維持するための雇用

ただし、企業が感じている景気は力強く回復しましたが、経済や企業利益は新型コロナウイルス前の水準には完全に戻っていません。

経済が自力で回復をするためには雇用を増やす必要がありますが、少し心配なのは米企業が雇用増加にかなり消極的な姿勢を見せている点です。

6月のISMによる景気アンケートでは、数ある項目の中で製造業も非製造業も雇用がもっとも冷え込んでいました。

ISM製造業指数

ISM非製造業指数

これを見る限り、政府やFRBによる資金提供はおそらくまだまだ必要な気がします。

また雇用に加えて、経済活動の再開を急ぐあまり新型コロナウイルスの感染拡大が続いている点にも注意が必要で、6月に企業の景気が回復したと言っても、まだまだ油断できない状況が続いています。

最新のコメント

当社アプリをインストール
リスク開示書: 金融商品や仮想通貨の取引は投資金額を失う高いリスクがあります。仮想通貨の価格は非常にボラティリティーが高く、金融、規制、政治など、外的な要因に影響を受けることがあります。また信用取引はリスクが高いことを十分に理解してください。
金融商品または仮想通貨の取引をする前に、金融市場での取引に関わるリスクやコストについて十分に理解し、専門家の助言を求めたり、ご自身の投資目的や経験値、リスク選好等を注意深く検討することを推奨いたします。
Fusion Media によるこのウェブサイトのデータが、必ずしもリアルタイムおよび正確ではないということをご了承ください。またデータや価格が、必ずしも市場や取引所からではなく、マーケットメーカーにより提供されている場合があります。その為、価格は気配値であり、実際の市場価格とは異なる可能性があります。Fusion Media および当ウェブサイトへのデータの提供者は、当ウェブサイトに含まれる情報を利用したすべての損失に対して一切の責任を負わないものとします。
Fusion Media およびデータ提供者による事前の書面の許可なしに、当ウェブサイト上のデータを使用、保存、複製、表示、変更、送信、配信することを禁じます。すべての知的財産権は当ウェブサイト上のデータの提供者、または取引所が有します。
Fusion Media は当ウェブサイトに表示される広告により報酬を得ることがあります。
上記内容は英語版を翻訳したものであり、英語版と日本語版の間に不一致がある時は英語版が優先されます。
© 2007-2024 - Fusion Media Limited. 無断複写・転載を禁じます