2013年春に就任した日銀の黒田総裁の任期が、2018年3月までと迫っている。あと10ヶ月半ほどしかなく、後任の人事についてもまだあまり報道されていない。
黒田総裁は景気回復とデフレ脱却を目的として、2013年4月から日本の戦後史上例を見ない異次元緩和政策をスタート。当初は「2年程度をメドに」インフレ率2%を達成すると述べていたので、2年で達成したらその後は出口戦略を開始すると思われていた。
しかし2年経っても2%は達成できず、そのままズルズルと異次元緩和は続けられる。すでに4年以上が経ったが達成は全く見えないまま、黒田総裁の任期が残り1年を切ってしまった。
今や黒田総裁の任期中に出口戦略まで完了することは不可能な状況で、2%の達成すらほとんど諦めている。今後日銀総裁の後任人事や、異次元緩和政策はどうなるのか?
現実問題としては、来年春以降は別の総裁と交代するので、後任者が異次元緩和政策を引き継ぐしかない。ただしそのような役割をやりたがる者がいるとは限らない。場合によっては、ここ数十年なかった同じ総裁の2期目があるかもしれない。再任は法的には問題ないが、最近数十年で再任された者はいない。
出口のない袋小路に入り込んだ感のある日銀の異次元緩和政策だが、出口をどうするのか考えられる者は日本に誰もいない。