先週までの金市場を振り返ってみましょう。
8月上旬、8月発表の雇用統計が良い結果となりドル建て金は下落しました。
しかし、その後、経済指標が悪かったために、金相場は戻す場面が見られました。
8月中旬からは利上げ思惑が高まり、下降トレンドに転換。
円安ながら、ドル建て金の下落の影響が大きく、東京金も下落しています。
9月になると、雇用統計が事前予想より悪く、ドル建て金は一気に上昇。
為替は円高でしたが、東京金も上昇しています。
先週の週明けの相場は、これまでのISM製造業指数、雇用統計の悪い流れを引き継いで、ISM非製造業指数が悪かったことで、ドル建て金が上昇しました。
ところが、この経済指標の悪さをみても、連銀からのタカ派発言の修正は見られず、ドル建て金のトレンドは下げに転じています。
年初は、年3回とも4回とも言われていた年内利上げですが、年初の世界同時株安で、地区連銀メンバーは不用意な発言を避け口をつぐみました。
しかし、今回は週末の株安にもタカ派な発言が終わる気配はありません。
投機筋のポジションを見ると、買い越しが増えています。
しかし、その後経済指標が悪いにもかかわらず利上げへのタカ派な発言が終わらずドル建て金は下げているため、投機筋の買いは減っていることでしょう。
先週は、9月利上げ後退で上昇トレンド発生としましたが、
来週のFOMCの結果次第で、戦略としては様子見が良いでしょう。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。
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