2017/02/27 【商品相場展望】
株高なのに金高、その背景とは!?
目次
●株高なのに金高、その背景とは!?
●原油:ファンドの買いがさらに積み増しへ
●白金:今週は高値抜けに期待も…
●ドル円:円高の動向に注意
●トピックス:相場格言
株高なのに金高、その背景は!?
NYダウは先週末まで、11日連続で史上最高値を更新しました。
しかし、一方で金も上昇しており、株が上昇する中で金も高いという稀なケースになっています。
株高、ドル高下ではドル建ての金は下落する傾向にありますが、これを振り払う展開です。
それでは、なぜ株高なのにドル建て金も上昇しているのでしょうか。
そしてどこまでこの現象が続くのでしょうか。
まず、金融市場が動き始めた大統領選後の動きから見てみましょう。
大統領選後は、NYダウは上昇、米10年債利回りは上昇する中で、ドル建て金は下落するという展開でした。
しかし、12月半ばからはNYダウは横ばい、一方のドル建て金は下落が止まり逆に上昇に転じました。
その背景には12月半ばに米10年債利回りの上昇が止まり、もみあいに入ったことがあります。
今年2月に入ってからは、米10年債利回りが横ばいで落ち着く中で、NYダウは再度上昇し始め、ドル建て金も上昇傾向になっています。
NYダウが上昇する中で金も上昇した背景には、米10年債利回りが落ち着いて推移していることが要因としてあると考えられます。
従って、金利の落ちつきはドル建て金のサポート要因です。
今後の金相場をみる上で、この米10年債利回りの動向はチェックしておく必要があります。
原油:ファンドの買いがさらに積み増しへ
NY原油のファンドの買い越しは、さらに増加して55万枚を超えてきています。
NY原油は1月半ばから51~55ドルの狭い幅での動きで推移する中で、ファンドの買いは10万枚超積み増しています。
ファンドの買い越しが過去最高まで積み上がっていることを考えると、いざ整理売りが始まると大きな下落要因になるため、注意が必要です。
また先週、相場は移動平均線が収束しており上下に大きく動く前触れと話しておりましたが、ボリンジャーバンドをみても幅が収束してきており、バンドから抜けると大きく動く可能性があります。
ファンドの動向とともに、どちらに放れるか注視しておきましょう。
白金:今週は高値抜けに期待も…
NY白金は先週1000ドル割れを試めしましたが、週末は反発して直近高値に迫ってきています。
先週お話したランド相場も1ドル13ランドを割り込んだままで、ドル建て白金のサポート要因になっています。
円建て白金は、今週高値を取りにくるのではとみています。
しかし、高値をとれないようでは、この値位置で時間がかかり過ぎている点が気がかりです。
ドル円:円高の動向に注意
ドル円は、112円を割り込む展開で、一目均衡表の分厚い雲を今にも円高方向に抜けそうな勢いになっています。
明日28日には、トランプ大統領の議会演説を控えており、相場は大きくブレる可能性があるため注意しておきましょう。
トピックス:相場格言
日本でいう「見切り千両」でしょうか。
相場が曲がったとき祈るような気持ちになりますが、果たしてしっかりとリスク対策ができるでしょうか。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。
当コラムの筆者、後藤道義のセミナーも定期開催中。
本コラムは、投資判断の参考となる情報の提供を目的としたものであり、勧誘を目的として提供するものではありません。本コラムの情報は、正確を期しておりますが、その内容等を保証するものではありません。また、本コラムに記載された意見や展望などは、個人的な見解に基づく情報であり、本コラムにより被った損害についても、当社は一切の責任を負いかねますことをご了承願います。お取引の最終判断はお客様ご自身でなさるようお願い致します。
※商品先物取引及び金融商品の証拠金取引は、価格変動等の理由により差損が生じる場合があり、元本や収益が保証されるものではありません。また、取引金額はお客様が預託すべき証拠金の額に比して大きいため、相場の状況によっては差し入れた証拠金を超える損失が生じる可能性もございます。お取引に際しては、契約締結前交付書面、約諾書・約款ならびにお客様向け資料の内容を十分ご理解の上お取引ください。
株高なのに金高、その背景とは!?
目次
●株高なのに金高、その背景とは!?
●原油:ファンドの買いがさらに積み増しへ
●白金:今週は高値抜けに期待も…
●ドル円:円高の動向に注意
●トピックス:相場格言
株高なのに金高、その背景は!?
NYダウは先週末まで、11日連続で史上最高値を更新しました。
しかし、一方で金も上昇しており、株が上昇する中で金も高いという稀なケースになっています。
株高、ドル高下ではドル建ての金は下落する傾向にありますが、これを振り払う展開です。
それでは、なぜ株高なのにドル建て金も上昇しているのでしょうか。
そしてどこまでこの現象が続くのでしょうか。
まず、金融市場が動き始めた大統領選後の動きから見てみましょう。
大統領選後は、NYダウは上昇、米10年債利回りは上昇する中で、ドル建て金は下落するという展開でした。
しかし、12月半ばからはNYダウは横ばい、一方のドル建て金は下落が止まり逆に上昇に転じました。
その背景には12月半ばに米10年債利回りの上昇が止まり、もみあいに入ったことがあります。
今年2月に入ってからは、米10年債利回りが横ばいで落ち着く中で、NYダウは再度上昇し始め、ドル建て金も上昇傾向になっています。
NYダウが上昇する中で金も上昇した背景には、米10年債利回りが落ち着いて推移していることが要因としてあると考えられます。
従って、金利の落ちつきはドル建て金のサポート要因です。
今後の金相場をみる上で、この米10年債利回りの動向はチェックしておく必要があります。
原油:ファンドの買いがさらに積み増しへ
NY原油のファンドの買い越しは、さらに増加して55万枚を超えてきています。
NY原油は1月半ばから51~55ドルの狭い幅での動きで推移する中で、ファンドの買いは10万枚超積み増しています。
ファンドの買い越しが過去最高まで積み上がっていることを考えると、いざ整理売りが始まると大きな下落要因になるため、注意が必要です。
また先週、相場は移動平均線が収束しており上下に大きく動く前触れと話しておりましたが、ボリンジャーバンドをみても幅が収束してきており、バンドから抜けると大きく動く可能性があります。
ファンドの動向とともに、どちらに放れるか注視しておきましょう。
白金:今週は高値抜けに期待も…
NY白金は先週1000ドル割れを試めしましたが、週末は反発して直近高値に迫ってきています。
先週お話したランド相場も1ドル13ランドを割り込んだままで、ドル建て白金のサポート要因になっています。
円建て白金は、今週高値を取りにくるのではとみています。
しかし、高値をとれないようでは、この値位置で時間がかかり過ぎている点が気がかりです。
ドル円:円高の動向に注意
ドル円は、112円を割り込む展開で、一目均衡表の分厚い雲を今にも円高方向に抜けそうな勢いになっています。
明日28日には、トランプ大統領の議会演説を控えており、相場は大きくブレる可能性があるため注意しておきましょう。
トピックス:相場格言
日本でいう「見切り千両」でしょうか。
相場が曲がったとき祈るような気持ちになりますが、果たしてしっかりとリスク対策ができるでしょうか。
当記事は、「セントラルマーケットコラム~経済金融・コモディティ~」からの転載です。またコラムでは、経済金融、貴金属のスペシャリストによるコラムも掲載しております。こちらもぜひご覧ください。
当コラムの筆者、後藤道義のセミナーも定期開催中。
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※商品先物取引及び金融商品の証拠金取引は、価格変動等の理由により差損が生じる場合があり、元本や収益が保証されるものではありません。また、取引金額はお客様が預託すべき証拠金の額に比して大きいため、相場の状況によっては差し入れた証拠金を超える損失が生じる可能性もございます。お取引に際しては、契約締結前交付書面、約諾書・約款ならびにお客様向け資料の内容を十分ご理解の上お取引ください。