円安・株高の「トランプ相場」もすっかりなりを潜め、最近では株式市場の停滞傾向が鮮明になってきた。
NY株式市場のダウ工業平均は昨年11月の米大統領選以来急上昇し、連日最高値更新が続いてきた。しかしそのダウも、3月1日を最後にここ1ヶ月は最高値の更新が見られない。ただし同じ米国の指数でもNASDAQ総合指数は、3月以降もわずかながら最高値を更新している。
それは日本の国内市場でも同じで、日経225平均は3月後半以降に急速に値を崩し、今週後半には18,600円を割って今年の最安値を更新した。3月後半以降の軟調な展開は円高が大きな要因であると思われる。
そして4月に入ってこれらの動きにさらに地政学的リスクが加わった。リスク要因となっているのは、北朝鮮とシリアという2つの地域。
北朝鮮は日本海に対して何発もミサイルを発射。そしてアメリカのトランプ大統領は、最近になって北朝鮮に対して攻撃をすることを示唆している。
シリアでは2011年から6年も内戦が続いているが、最近になって化学兵器が使われたとの情報が流れた。このためにアメリカは7日にシリアに対してミサイル攻撃を行い、内戦の激化・泥沼化のリスクが大きく高まった。
地政学的リスクが高まると、円高・株安に動きやすくなる。また中東の緊張感の高まりは原油高の可能性を高める。2017年の金融市場は、これから難しい局面に入るかもしれない。