日銀が6月2日に営業毎旬報告を公表。その内容によると、5月末現在の日銀のバランスシートに記載されている資産と負債が史上初めて500兆円を突破したとのことだった。これは日本の年間GDPにほぼ匹敵する。
日銀のバランスシートがここまで拡大したのは、2013年4月から4年以上の長期にわたって異次元緩和政策を実施し、国債の買い入れを続けているためだ。
これによってすぐに日本に何らかの問題が発生するわけではない。しかしこのようなケースは歴史上例がなく、今後どのような形で日本経済にとっての障害が浮上するかどうかわからないのが問題だ。
アメリカはQE1からQE3まで3回にわけて大規模量的緩和を行ない、FRBのバランスシートが4兆5000億ドルにまで拡大した。しかしアメリカの年間GDPは15兆ドル程度なので、FRBのバランスシートはまだGDPの3分の1程度だ。それに比べて日銀のGDPとほぼ同じ規模というのは明らかに大きすぎる。
今後起こりうる問題の1つとして、日銀が保有する国債の価格が下がった時、日銀が含み損を抱えてしまうことがある。また保有する国債が多すぎて、出口戦略がますます難しくなっているのも確かだ。
何にしてもこのようなケースは歴史上例がないため、どの経済学者も答えは出せないのが現実だ。空前の規模で緩和を続ける日銀だが、この先に一体何が待っているのだろうか?