25日にオーストリアのウィーンでOPEC総会が開催された。総会では原油の減産延長について協議が行なわれる予定だったが、延長自体は総会前から産油国の間ですでに既定事項になっていた。
OPEC総会で争点となっていたのは、減産延長の有無ではなく延長期間にあった。その延長期間も比較的長めの9ヶ月ということで合意。これで原油の減産が今年6月までから、来年3月までに延長された。
しかしこの合意が発表された後、原油価格は上昇せずにむしろ暴落した。25日朝には51ドル台にあったNY原油は、25日夜頃の合意発表後売りが殺到し26日朝までに48ドル台にまで下がった。これは市場がもっと強い措置、減産の1年間延長や、減産幅自体の拡大を期待していたため、市場に失望感が広がったことが原因と見られている。
産油国は原油価格を押し上げることを目的として、今年1月から減産を開始。だが思っていたほどの効果がなかったため、減産を9ヶ月延長。それでも原油価格は上がりそうにない。
つまり産油国にとって、原油価格を2010~14年前半のように100ドルまで持っていくことは極めて難しくなった。それはシェールオイルなどの競合品が発達したためと見られているが、原油高の時代はもう終わってしまったと考えていいのだろうか。