11月30日にウィーンで開催されたOPEC総会で、産油国が8年ぶりに減産で合意。日量120万バレルほどの生産を削減することとなった。2014年後半に原油価格が下落を始めてから、産油国は何度も生産調整を行おうとしてきた。しかしいつも足並みが揃わず、これまで2年間本格的な減産で合意はできなかった。
それがここに来てついに合意することができたのだ。背景には、産油国がどこも原油安のために経済が苦境に陥っているという現実がある。どこの国も厳しいために、もはや生産調整を避ける余裕はなくなっていた。
ただ問題はこれからだ。減産で合意したとは言え、これからその合意を実行しなくてはいけない。そして合意した国が、約束通り実行するという保証はない。最初は実行するだろうが、何ヶ月、あるいは何年かすれば抜けがけをする国が出てくるかもしれない。
最近はOPECが協調して減産をするようなことがなかったので、こういった話はもう過去のことになった。しかしかつてOPECが協調して生産調整をすることが多かった時代があったのだが、そういう時代でも抜けがけをする国が少なからずあった。
結局はどこも自分の国だけはなんとか儲けようと考えており、協調減産が抜けがけなしに長期間続くことは難しい。今回の減産も、何年も続けばかなりいい方なのではないか。