アメリカでは昨年12月に暫定予算が議会を通過して成立したが、その期限が4月28日に迫った。この期限が切れるまでに何らかの措置が取られないと、一部の政府機関が閉鎖することになる。
アメリカの会計年度は10~9月。そこで4月28日に暫定予算の期限が切れたら、9月まで有効な別の予算を通さなくてはならない。しかし民主・共和両党が対立している点がいくつかある。特に焦点になっているのは、メキシコとの国境に壁を建設するための費用だ。
メキシコ国境の壁建設はトランプ大統領にとって選挙公約だったので、できる限り早く実現したいと考えている。しかし民主党は予算案に壁の建設費用を入れることには同意していないので、その面で対立が解消できていない状態だ。
米政府は当面の予算確保のために、1週間のつなぎ予算を通すことも考えている。これが通れば5月5日まではしのげるが、結局はそれまでにつなぎではない予算案を通す必要がある。
2013年には同様の問題で一部の政府機関が17日間閉鎖されたことがあり、行政に多大な影響が出た。今回も展開次第ではそのような事態がまた起こる可能性がある。政府機関が閉鎖されれば、アメリカの株式市場にも影響は出てくるだろう。
日本は29日から連休入りしバカンスに出る投資家が多いだろうが、世界は休みなく動いている。