J&J、コロナワクチン売上予想公表を中止 通期利益を下方修正

Reuters

発行済 2022年04月20日 00:23

[19日 ロイター] - 世界最大のヘルスケア複合企業、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は19日、2022年通期決算の利益予想を下方修正し、新型コロナウイルス用ワクチンの売上高予想の公表を一時的に中止した。以前はワクチンで最大35億ドルの売り上げを見込んでいた。

J&Jは売上高予想公表を一時中止した理由として、需要が不確実なのに加え、1回接種する同社製ワクチンよりはるかに好調な競合他社製ワクチンの供給過剰を挙げた。

J&Jのワクチンは「非営利」価格で販売され、22年第1・四半期に4億5700万ドルの売り上げがあった。21年の売上高は、製造上のボトルネックと安全上の懸念を受けて競合のmRNAワクチンを下回っていた。

米製薬大手ファイザーはドイツのビオンテックと共同開発した新型コロナ用ワクチンの22年の売上高を320億ドル、米モデルナは210億ドルとそれぞれ予想している。

J&Jによると、22年通期の調整後利益予想は1株当たり10.15─10.35ドルとなり、前回予想の10.40─10.60ドルを下回る見通し。第1・四半期の全体売上高は234億3000万ドルで、リフィニティブ予想の236億1000万ドルを下回った。

ジョセフ・ウォーク最高財務責任者(CFO)は米CNBCテレビに対して「業績でわずかに達成できない分は新型コロナ用ワクチンの関連で、率直に言って業績は社内予想に沿ったものだ。アナリストが想定した通期見通しとは異なっていただけだ」と語った。