[ニューヨーク 11日 ロイター] - 3度目の「半減期」を通過した暗号通貨(仮想通貨)ビットコインは11日の取引で、値動きの荒い展開のなか下落。ただ供給量が減速することから、先行きは強気の見通し。
ビットスタンプ取引所のビットコイン (BTC=BTSP)は11日午後の取引で、1.3%安の8620.43ドル。一時は上昇する場面もあった。
「半減期」とはビットコインのインフレを抑えるための仕組みで、供給量が一定の水準に達した段階でマイニング(採掘)作業者に報酬として与えられる新たなコインの数が半分に減る。ビットコインは11日に半減期を迎え、報酬は1ブロック当たり12.5ビットコインから6.25コインに半減した。次の「半減期」は2024年に到来する見通し。
オアンダのマーケットアナリスト、エドワード・モヤ氏は「ビットコイン採掘のインセンティブが低下したため、採掘作業者は、より利益の出る他の暗号通貨に乗り換えるだろう。短期的にはビットコインが圧迫される。ただ長期的には、価格は上昇するとみている。世界的に財政・金融政策が緩和基調にある中、機関投資家が、政府保証に裏付けされた通貨の代替手段を模索するからだ」と指摘した。
ビットコインの年初来の上昇率は20%を超え、前週には約3カ月ぶり高値の1万ドルを付ける局面があった。米ヘッジファンド・マネージャーのポール・チューダー・ジョーンズ氏が、インフレヘッジ手段としてビットコインに注目しているとの報道を受けた。
トレーダーらによると、半減期を意識した買いが入ったという。
ビットコインが最初の半減期を迎えたのは2012年11月で、報酬額は50コインから25コインに減少。2回目は2016年7月で12.5コインに減少した。
一方、トレーダーらによると、価格は12年終盤から14年までの期間に約1万%急騰し、16年半ばから最高値を記録した17年12月までの間に約2500%の大幅高を演じた。