[北京 18日 ロイター] - 18日発表の中国国家統計局のデータを基にロイターが算出したところによると、9月の不動産投資は前年比10.5%増と、高水準を維持した。
新規着工が増加した。8月も10.5%増だった。市場では、好調な不動産市場が中国経済の減速を抑制するとの期待が浮上している。
1─9月の不動産投資は前年比10.5%増加し、伸び率は1─8月と同水準。前年同期は9.9%増だった。
ロイターの算出によると、9月の新規着工(床面積ベース)は前年比6.7%増。8月は4.9%増だった。
Eハウス・チャイナR&Dインスティチューションのディレクター、Yan Yuejing氏は「9月の不動産統計は予想より良かった。一定の回復が見られた」と指摘した。
ただ9月の不動産販売は低迷。中国では例年9月に新築住宅の販売が増え「金の9月」とも言われるが、政府の投機抑制策を背景に販売が低迷した。
ロイターの算出によると、9月の不動産販売(床面積ベース)は前年比2.9%増と、8月の4.7%増から伸びが鈍化。ただ前年同期は3.6%の減少を記録していた。
1─9月の不動産販売は前年比0.1%減少。1─8月は0.6%減だった。
中国の不動産開発業者が1─9月に調達した資金は、前年比7.1%増。1─8月は6.6%増だった。
ただ中国政府は、不動産向けの融資条件を大幅に緩和することはないとの姿勢を明確にしており、資金調達が厳しい状況は今後も続く見通し。
中国の不動産市場は好調で、長引く米中貿易戦争の影響で国内製造業や輸出が低迷するなか、経済のけん引役となっている。
ただ、政府は、不動産市場向けの刺激策を拡大する計画はないとしており、今後も市場が底堅さを維持できるかは不透明。
中国共産党中央政治局は今年7月、需要喚起など景気支援に向けた取り組みを強化すると表明した。ただ、不動産市場を活用した短期的な刺激策は行わず、消費拡大や製造業分野の投資安定化を推進する考えを示した。
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