[ロンドン 29日 ロイター] - 英住宅金融会社ネーションワイドが発表した1月の住宅価格は前年同月比1.9%上昇と、2018年11月以降で最大の上昇を記録した。
ロイターが集計したすべてのエコノミスト予想を上回った。英国では昨年12月の総選挙以降、住宅市場や景気信頼感が緩やかに回復している兆しが出ている。
昨年12月は1.4%上昇だった。
ネーションワイドのチーフエコノミスト、ロバート・ガードナー氏は「健全な労働市場と低金利が、景気の先行き不透明感を相殺したようだ」と指摘した。
1月の住宅価格は前月比では0.5%上昇。市場予想の平均は0.3%上昇だった。昨年12月は0.1%上昇。
英中銀は30日に結果を発表する金融政策委員会で利下げの是非を討議する見通しだが、最近の景気回復の兆しと昨年終盤の景気低迷を比較検討する必要に迫られるとみられる。
EY・ITEMクラブのエコノミスト、ハワード・アーチャー氏は「総選挙ではっきりとした結果が出て欧州連合(EU)離脱の短期的な不透明感が後退し、楽観的な見方が増えていることが、住宅市場の最初の支援材料となっていると考えざるを得ない証拠がある」と指摘。今年の住宅価格の上昇率を2.0%から2.8%に上方修正した。