[ベルリン 8日 ロイター] - ドイツの主要シンクタンクは8日、第2・四半期の国内経済が9.8%縮小し、データをさかのぼれる1970年以降で最大のマイナス幅となる公算が大きいとの報告書を公表した。新型コロナウイルス感染拡大抑制のために導入したロックダウン(都市封鎖)が響く。
世界金融危機に見舞われた2009年第1・四半期のマイナス幅の2倍強に当たるという。
報告書の作成に携わったシンクタンクの1つであるIFO経済研究所のエコノミスト、Timo Wollmershaeuser氏は「おそらく危機は予想よりも長引き、生産凍結につながりそうだ。このシナリオではリセッション(景気後退)の深度はより大きくなり、回復はより緩慢になる見通しだ。政府が企業の破綻を防ぐこともさらに困難になるだろう」と指摘した。
主要シンクタンクは、1─3月期のドイツ経済は1.9%縮小する見込みだと指摘。また、ピーク時の失業率は5.9%に達する公算が大きいとした。
その上で、今回の見通しに対するダウンサイドリスクは大きいと付け加えた。
主要シンクタンクは年間の成長率について、今年はマイナス4.2%、来年はプラス5.8%になると予想。IFO経済研究所のWollmershaeuser氏は「新型ウイルスの感染拡大でドイツ経済は深いリセッションに陥る」と述べた。
主要シンクタンクはこのほか、政府が3月に決定した総額7500億ユーロの新型ウイルス対策で、ドイツの債務の対国内総生産(GDP)比率は今年は70%と、新型コロナ発生前の約60%から上昇するとの予想を示した。
ただWollmershaeuser氏は、ドイツの財政状態は安定していると指摘。むしろ「イタリアのような国がリスクにさらされており、支援が必要だ」とし、「ユーロ圏が債務危機に陥る大きなリスクが存在している。これは絶対に回避する必要がある」と述べた。
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