[19日 ロイター] - 米連邦準備理事会(FRB)のクラリダ副議長は19日、米経済は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)を受けた打撃から力強く回復しているが、コロナ危機以前の水準に戻るまでには今後1年はかかる可能性があり、労働市場については回復にさらに時間がかかるという見方を示した。
米国銀行協会主催のオンライン討論で「経済活動が崩壊した春以降の回復は堅調だが、コロナ不況からの完全な経済回復には長い道のりがあることを忘れてはならない」と指摘。見通しは「異常に不確実」とも述べた。
米失業率は14.7%まで悪化したが、現在は7.9%まで大幅に改善。ただFRBの見通しでは、2023年末までは4%を下回る水準に戻らないとみられる。
クラリダ氏は、インフレ率がFRB目標である前年比2%に達し、健全な労働市場の兆しが見られるまで、金利はゼロ付近に維持されるだろうとし、「景気回復が速まれば早期利上げを意味し、回復が遅ければ利上げも遅れる」と述べた。
また、回復期を通じて景気を支えるには、さらなる金融政策と財政政策が必要で、FRBは今後もその役割を果たしていくと強調。「われわれは経済を支援するためにあらゆる手段を駆使し、この困難な時期からの回復が可能な限り強固で迅速なものになるように支援することを約束できる」と述べた。