13日の欧米外為市場では、ドル・円は下げ渋る展開を予想する。
世界的な新型コロナウイルスのワクチン開発期待で、リスク選好ムードが広がる見通し。
ただ、米国内でのコロナまん延で安全通貨のドルは買いが根強く、対円での下げは限定的となろう。
コロナ第2波への警戒感が広がるなか、世界的なワクチン開発が注目を集めている。
米ギリアド・サイエンシズは前週末、治療薬「レムデシビル」の臨床試験で死亡率の低下と症状の改善を発表し、年内の承認申請に期待感が高まった。
ほかにもオーストラリアなどでワクチンの試験が進められ、今後の感染被害縮小への思惑が市場心理を改善させている。
週明け13日のアジア市場で日経平均株価や上海総合指数などアジア株高に振れ、欧米市場への波及を見込んだ円売りに。
同時に安全通貨のドルも売られ、対円でも一時値を下げた。
この後の海外市場では重要イベントが予定されておらず、具体的な材料が乏しいなか株価や長期金利が手がかりとなろう。
特に、株高が続けばドルと円が売られやすい地合いが予想される。
ただ、ユーロ・ドルは底堅い半面、上値の重さが意識されドル売りは抑制される可能性があろう。
そうしたなか、米国ではフロリダ州の新規感染者数が1.5万人超と、これまで最多のカリフォルニア州を上回った。
コロナ再流行は経済の早期正常化を妨げる要因となるため、統計により安全通貨のドルは売りづらく、対円での下げは小幅にとどまりそうだ。
【今日の欧米市場の予定】・24:30 ウィリアムズNY連銀総裁オンラインセミナー参加(LIBOR関連)・03:00 米・6月財政収支(19年6月:-84.77億ドル)