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エレマテック Research Memo(3):過去の長期安定成長の過程で、商社に求められる機能をしっかり発揮

発行済 2019-12-16 15:33
更新済 2019-12-16 15:41
© Reuters.  エレマテック Research Memo(3):過去の長期安定成長の過程で、商社に求められる機能をしっかり発揮

■会社概要3. 長期業績推移エレマテック (T:2715)の長期的な業績推移を振り返ると、浮沈の激しいエレクトロニクス業界に身を置きながら、経済サイクルや製品サイクルなどの波を乗り越えて安定成長を果たしてきたことが一段と明確になる。

2000年代初めは携帯電話関連で伸びたがその中身はFPC(プリント配線版)の部材や基板実装、光学フィルムなどが主要な商材だった。

2010年前後は地デジ移行などもあって液晶テレビ関連の部材が大きなビジネスとなった。

また、2010年以降はスマートフォンやタブレットが急成長商品として台頭し、同社はそこに各種フィルム類やガラス類などを販売してリーマンショックからの迅速な回復と連続最高益の更新を達成した。

ここ数年はスマートフォン市場が成熟化したことで一旦の業績の踊り場を迎えた形となっているが、ここにきて次期成長市場が自動車関連と自動化/省力化関連へと、明確に移行した。

そしてその先には5Gと呼ばれる次世代(第5世代)の移動通信システムがある。

5Gに移行すると基地局から端末まですべてが一新され、また、“通信”の守備範囲が格段に広がり、あらゆるものがネットワーク化されることになる。

仕入・販売両側に多数の取引先と多様な商材を有する同社にとっては一段と商機が拡大すると期待される。

同社が“電子材料商社”でスタートしたという経緯もあって、素材の供給のイメージが強いが、同社が供給していた先はアッセンブラー(組立工場)であることが多い。

プロセス的には最終製品に近い部分だ。

こうしたところへの納入においては、素材そのものでの納入ではなく、加工品や半完成品のような状態での納入を求められることが多い。

このような経験が、同社がこれから注力する高付加価値化への取り組みでは大いに生きてくると弊社では考えている。

最終製品に近い領域で役割を果たす過程においては、同社が持つ5つの機能をフルに稼働させなければ顧客の要求に応えられない。

長年にわたり事業を展開してきた同社には、5つの機能に関して高いレベルで知見が蓄積しており、今後の成長市場と位置付ける自動車関連と自動化/省力化関連においても、5つの機能によって付加価値の高いビジネスを実践できると期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

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