[フランクフルト 27日 ロイター] - ドイツ航空大手ルフトハンザ (DE:LHAG)は27日、独政府と合意した90億ユーロ(98億ドル)規模の救済案を巡り、監査役会が欧州連合(EU)から課された条件を拒否したと発表した。
監査役会は27日の会合で承認するとみられていたが、欧州委が救済に当たってルフトハンザに拠点のフランクフルトとミュンヘンの空港での発着枠を恒久的に手放すよう求めたため、承認に至らなかったという。
ルフトハンザは、欧州委の要請は国内空港のハブ機能を弱体化させると指摘。ただ監査役会は救済案について、引き続き「支払い能力を維持する唯一の実行可能な代替案」と考えているとした。
関係筋によると、EUはフランクフルトとミュンヘンの空港での発着枠を72枠放棄することなどを要請。ルフトハンザは支援金返済後の発着枠の再配分を望んだが、欧州委は恒久的な放棄を求めたという。
アルトマイヤー経済相はルフトハンザの発表後、欧州委による救済案承認を引き続き予想していると指摘。「新型コロナウイルスのパンデミック(世界的大流行)による航空業界の戦略的利益喪失を避けることはドイツだけではなく、EUの利益にもなる」と述べた。
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