【本日の円相場見通し】ドル・円は主に106円台後半で推移か、日経平均株価の動向を注視する展開/為替市場オープニングコメント 2018年02月23日(金曜日)−株式会社フィスコ 担当 小瀬 正毅 問合せ先:03-5774-2444 newsadmin@fisco.co.jp
[為替市場オープニングコメント] *08:26JST 【本日の円相場見通し】ドル・円は主に106円台後半で推移か、日経平均株価の動向を注視する展開
22日のドル・円相場は、東京市場では107円78銭から107円15銭まで下落。欧米市場でド ルは107円48銭まで買われた後に106円60銭まで反落し、106円73銭で取引を終えた。
本日23日のドル・円は、106円台後半で推移か。米長期金利の低下を背景にドル売り・円 買い地合いが強まっている。しかしながら、日経平均株価を手掛かり材料に107円台回復を 目指して、ドル・円は値を戻す展開も予想される。
米長期金利の低下を背景にドル売り・円買いが強まっている。また、22日に公表された 欧州中央銀行(ECB)定例理事会の議事要旨では、フォワードガイダンスの早期見直しは時 期尚早との見解が共有された一方、2018年の早い時期に姿勢を見直すことが可能との見方 も示していたことが明らかとなった。
これを受けて、ユーロは対ドルで上昇し、ドル売りは対円にも波及している。さらに、 年度末を控えている2月、3月は海外留保利益の本国送金増加を背景とした円買い需要の高 まりも意識されており、ドルの下押し材料となっているもよう。
本日の東京市場は106円台後半で推移すると予想される。市場では来週28日のパウエル米 連邦準備理事会(FRB)議長の議会証言を控えて、今後の米経済の行方や利上げペースをめ ぐりパウエル議長の発言内容に注目している。ただし、週末要因の持ち高調整の動きや日 経平均株価の動き次第では、107円台までドルが買い戻される展開となりそうだ。
【テクニカル分析】 ・短期:107.90円(2月21日高値) ・中期:105.00円(心理的な節目)
【ドル売り要因】 ・米財政赤字増大に対する警戒感 ・日本の長期金利上昇 ・米貿易不均衡是正で円安は歓迎されず
【ドル買い要因】 ・米成長見通し引き上げ ・米3月利上げ観測 ・米国のインフレ率は今年上昇へ
ユーロ・ドルは、1.0341ドル(2017/01/03)まで下落したが、欧州中央銀行(ECB)は20 18年前半にもフォワードガイダンスを変更するとの思惑が広がったことで、一時1.2537ド ル(2018/01/25)まで上昇。ユーロ・円は、英国民投票でEUからの離脱が決定し、一時109 円57銭(2016/06/24)まで急落。その後114円85銭(2017/04/17)から137円50銭(2018/2/ 2)まで買われた。ユーロ圏の金利先高観は後退していないが、米3月利上げ観測を意識し てユーロは対米ドルで上げ渋る状態がしばらく続くと予想される。
本日のユーロ・円は131円台で推移か。ポジション調整的なユーロ売りは一巡しつつあ り、米ドル・円相場に大きな動きがない場合、ユーロの対円レートは131円台を維持する展 開が予想される。
【ユーロ売り要因】 ・米長期金利の上昇 ・米3月利上げ観測 ・ユーロ圏総合PMIは市場予想を下回る
【ユーロ買い要因】 ・日銀は現行の金融緩和策を長期間維持する可能性 ・ECBは今年前半にもガイダンス変更の可能性 ・ECBはユーロ圏の成長見通し引き上げ
予想レンジ ・ドル・円:106円20銭-107円20銭、ユーロ・円:131円00銭-132円00銭
<国内>本日の為替関連スケジュール ・08:30 1月全国消費者物価コア指数(前年比予想:+0.8%、12月:+0.9%)
<海外>本日の為替関連スケジュール ・16:00 独・10-12月期GDP改定値(前年比予想:+2.9%、速報値:+2.9%) ・19:00 ユーロ圏・1月消費者物価指数改定値(前年比予想:+1.3%、速報値:+1.4%) ・22:30 カナダ・1月消費者物価指数(前年比予想:+1.5%、12月:+1.9%) ・24:15 NY連銀総裁とボストン連銀総裁が討論会参加(FRBバランスシート) ・05:40 ウィリアムズ米サンフランシスコ連銀総裁講演(米国経済見通し) 《MK》