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ヒマラヤ Research Memo(7):EC事業との融合による店舗の付加価値向上と、新業態の開発等により成長を目指す

発行済 2017-11-24 17:02
更新済 2017-11-24 17:33
ヒマラヤ Research Memo(7):EC事業との融合による店舗の付加価値向上と、新業態の開発等により成長を目指す

ヒマラヤ Research Memo(7):EC事業との融合による店舗の付加価値向上と、新業態の開発等により成長を目指す

■今後の見通し

3. 市場環境認識と取り組み施策について
ヒマラヤ (T:7514)はスポーツ用品小売業界の市場認識について、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて活性化すると見る一方で、消費者ニーズの多様化が進むと同時に、EC市場や中古品市場の拡大、異業種企業の参入、大手量販店との直接競合の進行等により、競争環境は一段と激化すると見ている。
こうしたなかで同社では今後も持続的な成長を実現していくための施策として、「出店地盤の強化と店舗の付加価値向上」「グループ戦略の再構築、新業態の開発」に取り組んでいく方針だ。


(1) 出店地盤の強化と店舗の付加価値向上
出店戦略に関してはドミナント戦略に基づき、既存店の地盤を強化しつつ店舗網を拡大していく戦略を基本とするが、EC事業の拡大や競合環境を見据え、新規出店計画は敢えて策定せず条件に見合う物件があれば出店を検討する方針としている。
このため、2018年8月期については9月に出店した新業態2店舗以外は、現段階での新規出店予定はない。
また、閉店店舗についても前期に集中的に実施したこともあり、現段階で予定はしていない。


こうしたなか、店舗の付加価値向上施策として、2018年8月期はEC事業との融合による新たなサービスを開始し、顧客サービスの向上に取り組んでいる。
1つ目のサービスとして、2017年9月より「『ネット』と『リアル』を融合した店頭注文サービス」を開始した。
具体的には、購入を希望する商品の在庫が店舗にない場合に、店員がタブレット端末を使ってインターネット経由で商品在庫と納品可能日を確認し、顧客にスピーディーに提案することが可能となった。
顧客は商品の受け取り場所を店舗、または自宅に直送するかを選択できる。
さらに、同サービスを開始したことで最短で翌日納期も可能となった。
顧客はその場で納品日が確認できるため注文もしやすくなり、販売機会ロスの軽減だけでなく、顧客満足度の向上につながるサービスとなる。


また、2つ目のサービスとして、楽天市場や自社ECサイトで注文した商品に関しての、店頭での受取サービスを2017年9月より開始している。
店頭受取の場合は購入金額に係わらず送料が無料となるほか、自分の希望するタイミングで受け取ることが可能となる。
また、ウェア類については色合いやサイズなど実際に試着しなければわからないためECでの販売実績は多くなかったが、店頭受取サービスでは実際に試着してから購入の可否を決定できるメリットがあり、今後はウェア類等の販売が伸びる可能性がある。
さらに、来店すれば注文商品以外の「ついで買い」の効果も見込まれる。


(2) グループ戦略の再構築、新業態への取り組み
同社は消費者ニーズの多様化に対応するため、グループ戦略の再構築を図っており、その一環として新たな顧客層の取り込みを図るべく、2つのカジュアル業態で展開を開始している。
前述したように2017年9月に「スポーツ×ファッション」やアウトドア系ライフスタイルのセレクトショップの2号店目をそれぞれ出店している。
まだ、試行錯誤の段階だが、SNSなども積極的に活用して認知度の向上を図りながら収益化を目指していく考えだ。


一方で、B&Dについては今後、サッカー用品やランニング用品といった競技スポーツに特化した専門店に転換していく方針を打ち出している。
専門店としてのブランド力を再度強化し、学生や社会人選手などコア層にターゲットを絞った店舗運営を進めることで収益化を目指していく。
なお、ヒマラヤのスポーツ量販店業態についてはマス市場の顧客層を引き続きターゲットとしていくことになる。


(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

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