半年で2倍株になったネットフリックスはまだ買いか？－注目ポイントの解説
Investing.com | 2018年07月04日 19:15
ストリーミングビデオ業界の株価は現在、アナリスト達の今後12カ月の予想より、約15%も高い値段で取引されている。
そんな中 ネットフリックスは、他の追随を許さない。
昨夜の終値は398ドル。ネットフリックスは2018年に入って半年で100%の上昇をみせ、6月21日には423ドルの最高値をつけた。アナリストの過去の予想は外れ、彼らは躍起になって天井を探っている。
とはいえ、目を見張るようなこの上昇は逆に投資家たちを不安にさせはじめている。投資家たちは、ネットフリックスが今後も市場を驚かせるような利益を上げ続けるかどうか疑問にもちはじめている。 ―「ネットフリックスはもう危険かもしれない」と 。
ネットフリックスの時価総額の急激な上昇と、それに対する不安が生まれた原因は主に二つある。
h2 負債の上昇/h2
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ネットフリックスは世界で1億2500万人が視聴する一大メディアとなったが、その成長過程で85億ドルという巨額な負債をかかえた。負債の圧縮は簡単ではない。実際、米格付け機関のムーディーズは、今後数年間にオリジナルコンテンツの制作のために、さらに150億ドルの負債が追加されると予想している。
ムーディーズは、ネットフリックスのこのような大きな賭けを正当化するために、5年後にキャッシュフローを改善し、黒字化しなければいけないと述べた。
つまり、ネットフリックスは、毎年良質な登録者を獲得していかなければならない。参考となる数字として、ネットフリックスは3月31日までの12か月で2600万人の登録者を獲得している。
ネットフリックスは急激な登録者の伸びを維持し、同時に利用料の値上げができれば、キャッシュフローを黒字化できるだろう。
2021年の終わりまでに現在の1億2500万人から2億人に増えればその黒字化予想は現実となるだろう。
現在、ネットフリックス株を買おうと考えているなら、上記にあげた数字は意識すべきだろう。
現在ネットフリックスの株価は、悪材料が出て売られても、結局大きく反発する。
そのような相場のため、ネットフリックスが四半期毎に発表される業績が予想を上回る限り、マーケットはネットフリックスの負債や大きな支出を無視しがちである。
競合他社の懸念
ネットフリックスは今後も成長するために大胆な投資が必要となる。
しかし、ネットフリックスはどういう手段で、アマゾン(NASDAQ:AMZN)や、アップル(NASDAQ:AAPL)などの“金のある”企業がこのような儲かる事業へ参入を阻止するのかという疑問が浮かび上がる。
ライバルとなる企業が唯一、ストリーミング動画事業に参入するうえで障害になるのは、集中的な資本投資の必要性だ。
ネットフリックスの株を買い今後5年間株を保有しておくかどうか考えている長期投資家なら、競合他社との比較は投資をする上で最も重要な基準の一つである。
最も成功する長期投資は、大きな強みをもっている会社の中から生まれる。
そしてそれらの会社は、通常競合他社を打ち負かす十分な資産をもっている。
現段階でネットフリックスは、競合他社を打ち負かすだけの財力を持ち合わせていない。
しかし一方で、マーケットを見渡すと、どこの会社もネットフリックスが利用者に提供してるサービスレベルまでにきていない。.
アマゾンプライムビデオは、大半のユーザーにとってネットフリックスにないコンテンツを見るのに使われている。
一方で、Huluは、ディズニー (DIS)、21世紀フォックス (NASDAQ:FOX)、コムキャスト(NASDAQ:CMCSA)、AT&T (NYSE:T)からなるジョイントベンチャーだ。
同社のHulu Liveは、ネットフリックスに大きな脅威をあたえている。
Huluはこのような大きなネットワーク力や、それらの独自スタジオを兼ね備えていることがネットフリックスの脅威となるだろう。
しかし、Huluは日本とアメリカに提供しているのみで、グローバル展開がまだ進んでいない。
とはいえHulu（や同じようなＩＴ企業）は、（ウォルトディズニーのように）巨額な収益をあげ、ネットフリックスにとって代わるコンテンツをつくれる力をもっているため、ネットフリックスにとって最大の競合会社になるだろう。
h2 要点/h2ネットフリックスは今後もサクセスストーリーを続けられるだろうか？もし、あなたがネットフリックスに賭けるなら、今後もネットフリックスは視聴者の増加が続き、キャッシュフローが改善されて、それらは巨額の純利益とコンテンツに対する再投資につながると信じるしかない。
ネットフリックスはそのようなサクセスストーリーが現実になる最高の立場にいる。ネットフリックスにはストリーミング動画事業の「先行者利益」があり、世界的に利用者の数を伸ばし、緩やかな利用料の値上げに成功している。ネットフリックスは今後ストリーミング配信と各国のフランチャイズ化を構築し、5年後には対抗できないものになっているだろう。
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