チャート分析:人民元、記録的大幅安 = 米中の貿易摩擦をうけて

 | 2018年07月04日 18:59

中国の元が6月、ドルに対し月間下落幅は3.4%となり、記録的大幅安になった。これは人民元の切り下げがあった15年8月の2.7%を上回っている。

この下落を止める可能性がある発言が4日、中国人民銀行(PBoC)の要人から相次いで出された。中国人民銀行の易綱総裁と同副総裁の潘功勝氏は、「人民元相場が合理的で均衡のとれた水準で基本的に安定することに、自信を持っている」と述べた。

金曜日からドナルド・トランプ米大統領が中国製品に対し340億ドルの追加関税を課すとしているが、元安の最大の要因は、この米中の貿易摩擦によるものだ。

加えて中国は、この戦争が始まる前からリスクの高いレバレッジ投資に対する政府の規制による資本流出の増加のために中国市場は低迷していた。そして、予期しないドルの急伸によって人民元安が招かれた。

これらの要因により、中国株式市場は現在2兆ドルの価値が失われたと言われている。

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同時に、トルコのリラやインディアンルピーなどの他の新興市場通貨が軒並み、記録的な大幅安を記録した。

しかし、中国人民銀行の総裁の発言後、人民元は安定し始め、少しずつ通貨高に向かっている。