チャート分析:国際需給バランスによる原油価格の上昇の見込み

 | 2018年07月06日 14:46

現在の 原油の反落は、ファンダメンタルならびにテクニカルの観点で買いの機会だ。

ドナルド・トランプ米大統領の強烈なツイッターでの発言が原油価格に短期的な影響を及ぼしているかもしれないが、実際には国際需給のファンダメンタル要因が原油市場を動かしている。

表面的には、現在の反落は急騰を招くトレーディングパターンを形成している。

サウジアラビアが増産方針を示したが世界的な原油の供給不足の懸念は払拭できず、原油価格は木曜日の時点で、2日連続の下落を引き起こした。

水曜日に過去3年間で最高値近辺である75ドルを記録した後、原油価格はトランプ大統領のツイートをきっかけに反落した。

「OPECはガソリンを引き下げる努力をしていないことを肝に銘じるべきだ。もし何かしているとするなら、アメリカが諸国を安く守っている中、むしろ彼らは原油価格を引き上げている。この問題は協力的であるべきだ。今すぐ価格を引き下げよ!」

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11月に中期選挙がせまってくる中で、原油価格を75ドル以下に維持することは共和党にとって必要不可欠な条件だ。

しかし、OPECは本当に価格を引き下げる力を持っているのだろうか?

トロントのTD証券のグローバル商品戦略責任者であるバート・メレック氏はそうは思わない。

「もしサウジアラビアが、イランやリビア、ベネズエラなどの供給不足を補うために石油の大部分を供給していても、我々はかなり低い水準の余力を求めている」とメトレック氏はBloombergに語った。

ロンドンのPVM Oil Associates Ltdのアナリスト、タマーシュ・ヴァルガ氏は次のように述べています。

「上昇相場は調子を戻してきている。湾岸アラブ諸国やロシアは、リビヤ、イラン、ベネゼエラの供給不足をカバーできないだろう」

米国石油協会(API)は米国 週次原油在庫動向は6月29日に450万バレル下落したと、火曜日に伝えた。これは、トランプ大統領が引き下げの最新のツイートをする前であり、過去3年最高水準になった日と同日である。

エネルギー情報局(EIA)が発表した米国 原油在庫量 によると、7週間連続減少し、さらに20万バレル減少すると予想している。

現在、2つの要因が原油の価格を押し上げている。各国の原油生産問題が、世界的な供給不足を引き起こしていることと、原油の国際的な需要が高まっていることだ。

トランプ大統領の引き下げを要求するツイートの後だが、モルガンスタンレーは、ブレント原油価格が来年には85ドルになると見通しを上方修正した。

原油の引き下げを要求する「トランプエフェクト」は、減少する原油の供給と、増える需要の二重苦を乗り越えられるだろうか?

私たちできるとは思わないし、商品相場もそうはならないだろう。