次に下落を迎える通貨は豪ドルか?

 | 2018年11月28日 18:28

FRBのリチャード・クラリダ副議長は火曜日、政策金利は中立金利とみなす水準に近づいているとし、漸進的な利上げを支持すると述べた。その後、米 ドルは主要通貨に対して高値圏で取引された。

FRBは中立的な水準がどこなのか未だ模索していることを認め、低インフレ期待についての懸念も表していたが、投資家は追加利上げに関する話にだけ焦点を当てていたようだ。投資家はリチャード氏が資本的支出に関して懸念していたことや、セントルイス連邦準備銀行のブラード総裁が、米国経済の成長が今後2年間鈍化することについて警告していたことについても気にしていない。そういったことを踏まえると、米国の経済指標は米ドル高を下支えしていたことがわかる。

住宅価格は上昇したが、コンファレンス・ボード(非営利企業)による消費者信頼感指数が18年ぶりの最高値をわずかに下回ったことが懸念されている。結果的としては、豪 ドルNZ ドル以外の主要通貨に対してドル高へと上昇した。

火曜日の為替市場における3つの大きな動き - ユーロの1.13突破、英 ポンドが今月最安値まで下落、USD/JPYのドル安脱出。

我々はAUD/USDの通貨ペアに注目している。理由の一つとして、次にAUD/USDが下落局面を迎えると考えているからである。最も重要なこととして、米中間の貿易摩擦の過熱が挙げられる。G20首脳会議でトランプ米大統領と習近平国家主席は会談を行うが、米国政府は引き続き中国との交渉を前向きにとらえていない。ホワイトハウスの主席経済顧問は、これまでの米国の貿易交渉に失望しており、トランプ氏は中国への追加関税発動に前向きであることを述べている。

こういった発言を受けて我々は、今回の会談が本質的に意味のない結果に終わる、という見解に確信を持っている。貿易戦争の激化はAUD/USD、そしてオーストラリア経済にとって不利となる。中国は既に大幅安となっている。さらに中国経済の成長に下方圧力がかかれば、中国政府は人民元を切り下げ、輸出を刺激する可能性がある。

しかし、通貨安は中国輸入業者の購買力を低下させることになってしまうため、オーストラリアからの輸入減少に繋がると考えられる。鉄鋼価格もここ数日急落しており、こういった動きは豪ドル並の下落となる可能性がある。AUD/USDの終値が、今月初めて20日移動平均線を下回り、今後11月の最安値0.7165まで下落するとみられる。

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h2 オーストラリアドル(AUD)が下落する5つの理由/h2
  1. 米国は中国に対して新たな追加関税を示唆している

  2. 中国元が1ドル7.00元を下回っている

  3. 鉄鋼価格が4ヶ月最安値へと暴落している

  4. 米ドル需要の強さ

  5. AUD/USDが20日、100日移動平均線を下回っている