エレン ワルド | 2018年12月06日 19:55
※この記事は2018年12月6日に投稿されたものです。
本日開催されるOPEC総会のために、石油相はオーストリアのウィーンに集まっている。産油国は来年の減産に向けて議論を深めていく予定である。減産のコンセンサスがあるようだが、具体的な減産量についてはこれから交渉していかなくてはならない。日量100万から130万バレル/日の総量削減が議論の対象となるだろう。
h2 今回のOPEC総会の要点/h22016年11月にOPECは、ロシアなどのOPECプラスと共同で合計180万バレル/日にも及ぶ減産を決定した。原油在庫量は縮小し、原油価格に徐々に反映されていった。しかし、この施策は完璧というわけではなかった。サウジアラビアは割り当てられていた量以上に減産している一方で、イラクやカザフスタンは割り当てられていた減産量に達しなかった。また、ベネズエラやアンゴラ、イランなどの産油国は自然に産油量が減少していった。イランやベネズエラだけによっての減産量は130万バレル/日であった。
2018年3月のOPECとOPECプラスの総会では、産油量の上限は維持されたが、11月のイラン産原油への制裁が施行されたときに備えて、生産量の多い産油国には原油市場を安定化させるために割当よりも多い生産を認めた。また、夏季には原油価格は上昇し10月に高値を記録していた。ブレント原油は1バレルあたり85ドルを上回った。
その後、原油価格は著しく低下し、現在ブレント原油は1バレル61ドル程度である。アメリカでの原油供給量が増加しているだけでなく、投資銀行がロングポジションを解消していること、イラン産原油禁輸を8カ国に免除したこと、OPEC諸国の産油量が増加したこと、そしてドナルド・トランプ米大統領のツイッターによる影響が重なったことによって今回の下落が引き起こされたと考えられる。また、11月にサウジアラビアは1120万バレル/日生産し、割り当てられている1060万バレル/日を優に超えている。
h2 OPEC各国のそれぞれの姿勢/h2今回のOPEC総会では1300万バレル/日の減産で合意すると予想されている。しかし、価格は下落していようとも、保証されていることは何一つないのは事実である。以下がOPEC諸国の概要である
カナダと米国はOPECやOPECプラスではないが、両国は原油市場において強い存在感を持っている。カナダのレイチェル・ノットリー州首相が決定した、州の産油量の削減は、いまだに不確実性の高い原油市場で重要なファクターになっている。トランプ米大統領は、ロシアとサウジの両石油相が密談したことを受けて、ツイッターで以下のように自身の意見を表明した。
「OPECが原油生産に規制をかけることがないことを望んでいる。世界は原油減産することや、原油価格が上昇することを望んではいない!」
米国のブライアン・フック・イラン担当特別代表は水曜日、サウジの石油相と会談した。この時は、イラン制裁に関して協議されたと考えられる。
制裁によって、どれくらいの期間でどれくらいの影響が原油市場にでたのかということが、OPECの今後の方針のための試算に大事な要素である。イランの石油相は、まだOPEC総会の会場であるウィーンには到着していない。
OPECに加え、市場関係者は米国エネルギー情報局によって今日発表される 週間 原油在庫に注目している。
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