為替予想:市場はリスクオフの流れ

 | 2018年12月11日 01:15

今年最後の月である12月は下落局面での始まりとなり、我々が望む形とは程遠かった。

株式市場は世界的に売りが優勢となり、為替市場においては米ドル、豪(オーストラリア)ドルが最もパフォーマンスが悪い通貨であった。悪材料の集中が両通貨を下落させる要因となったが、最大の懸念材料は中国に集中していたため、豪ドルが最も影響を受ける形となった。

トランプ米大統領と習近平国家主席は貿易戦争への休戦合意に達し、今週は楽観的な見通しから始まったものの、米国政府によるファーフェイ(Huawei)のCFO逮捕により、貿易戦争への懸念は一気に高まることとなった。逮捕報道を受け、株式市場は大きく値を下げることとなったため、トランプ大統領はCFO逮捕に関してはまだわからないが、中国との貿易交渉は非常に上手くいっていると発言し、株式市場は下落局面を食い止めようとしていた。

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この状況下において我々が意識しておかなければならないこととしては、今週中は不確実性が引き続き残るということである。ファーウェイ(Huawei)CFOの逮捕によって米中間の貿易交渉に影響を及ぼすのかどうか、投資家は今後の動向への様子見姿勢を取ると考えられるからだ。ECB(欧州中央銀行)理事会後の来週には、ブレグジット(英国のEU離脱)の投票も行われる。こういったビッグイベントや中国の動向が続くため、12月の為替市場は依然として緊張感が残る月となるだろう。