ECBによってユーロは1.13を下回るのか、米政府での与野党の応酬は過熱

 | 2019年01月24日 09:00

h3 2019年1月24日の外国為替市場

本日は欧州中央銀行(ECB)の金融政策発表や米政府閉鎖の終結に向けた上院投票が控えており、外国為替市場にとって目を離せないものになるだろう。日本時間21時45分からECBの会合が開始され、その後の日本時間4時30分に上院投票が行われる。

約2週間ぶりにユーロはドルに対して高値で取引されている。しかし、今回のユーロ高はショートカバーによるものである。実際、ユーロ圏の政治家の大半は、ユーロ圏の成長が鈍化しており、景気後退のリスクがあることを述べている。マリオ・ドラギECB総裁もまたプレスコンファレンスにて、同様のことを述べるだろう。なぜなら、ユーロ圏の経済成長が鈍化しているだけでなく、ハードブレグジットへの懸念も払拭されていないからだ。先週、同氏は景気後退が予想より長引く可能性があるため、景気刺激策が必要であると述べた。

下の表を見ると、独失業率は改善され、小売売上高は上昇しているが、ユーロ圏の消費者物価指数(CPI)、製造業購買担当者指数(PMI)、企業活動は低調である。これらのこと考えると、同氏がプレスコンファレンスにてハト派となることは間違いないだろう。ECBが経済成長率やインフレの予測値を引き下げ、ドラギECB総裁が鈍化する経済成長に焦点を当てるならば、ユーロ/米ドルは容易に1.12まで下落するだろう。とはいえ、好調な独失業率と小売売上高を考慮して、ドラギECB総裁が中立な姿勢を保とうとするならば、ユーロ/米ドルは1.145まで上昇する可能性がある。