強い業績見通しは米国株式を上昇させ、ドルは下落

 | 2019年01月28日 09:07

  • 決算や業績見通しによって株式の追い風となる可能性。IMFの世界経済低迷見通しの懸念を相殺
  • ダウ、ナスダック、ラッセルは5週連続で上昇
  • 原油は横ばい、様々な懸念が取り巻く

25日のS&P 500、ダウ、ナスダックなどの米主要株価指数の終値はプラス圏となった。これは、トランプ米大統領が暫定予算案に署名し、政府閉鎖の一時解除に合意したことによって押し上げられている。また、米国企業の好決算によって市場が活気づいている。前四半期の悪い業績見通しの後で、今季の良い業績見通しは上値が重い株価を後押ししている。

h2 好業績見通しが株価を上昇させる/h2

疑いもなく先週金曜日において一番の好材料は、トランプ米大統領が政府閉鎖の解除に合意したことであろう。これは、政府職員が無給を強いられてた5週間にわたる政治的内紛への大きな進展であった。

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長期的な市場の要因は企業の業績見通しにあると見ている。その代表例は、P&G(NYSE:PG)である。先週23日に発表された同社の2019年第2四半期の業績の発表は予想を上回り、通年売上高を上方修正した結果、同株価は4.87%上昇した。

中国のGDPや、ユーロ圏のPMIが低下していることや、国際通貨基金(IMF)が、貿易戦争を主な要因として今後2年間の世界経済成長の見通しを下方修正した後で、このP&Gの決算は大きな意味を持つだろう。

h2 リスクオン相場がもどってきた/h2

好決算がリスクオンの流れを生み、先週金曜日の米国株式市場は2日連続の続伸となった。また、ドルも下落していた。

先週のS&P 500は、前日比0.85%高となり、週次では0.57%高となった。今週ワシントンで行われる通商協議への楽観視から 素材セクター (+1.9%)はアウトパフォームしており、資本財・サービス (+1.2%)も上昇していた。

これらの楽観的な観点に加えて、FRBはバランスシート縮小の早期終了を決める調整に入り、金融引き締めの手を休めようとしている。

しかし、金曜日のリスクオンの流れの中で、量的緩和の見通しが強まることは金融株 (+0.81%)の上昇が限定的になり、ディフェンシブセクターの公益事業 (-1.37%)や、 生活必需品 (-0.4 percent)は不調であった。

SPXは週次では0.22%の下落で、2019年に入り初めての週次マイナスとなり、4週連続の続伸で止まった。不動産セクター(+1.44%)もアウトパフォームしてしていた。

FRBのハト派色が鮮明になったことが、不動産投資に対する見通しを変え、クリスマスから続く上昇を後押ししている。

また エネルギー株は、 原油価格が乱高下する中で-1.43%となっている。