豪中銀(RBA)の政策金利発表で豪ドルは70セントを下回るか?

 | 2019年03月05日 07:49

3月5日の外国為替市場まとめ

トランプ大統領がドル高をけん制し、アジア時間の取引開始時に米ドルは下落した。しかし、同氏の発言による影響は限定的であったため、その後すぐに反発した。今週は通貨、特にドルにとっては重要な週となるだろう。連邦準備制度理事会(FRB)のベージュブック(米地区連銀経済報告)においては労働市場の堅調さ、またその堅調さが経済に与える便益が強調される可能性がある。8日発表予定の非農業部門雇用者数(NFP)は、先月の目覚ましい伸びからは一転して成長が鈍化するはずだ。しかし雇用者数の伸びが18万人を超え、賃金が上昇した場合は、投資家はドル買いを行う可能性がある。NFPの主要指数である、ISM非製造業景況感指数は6日の発表予定であり、為替への大きな変動要因となりうる。さらには、他国の政策金利や経済指標も為替相場を大きく動かすだろう。

今夜にはオーストラリア準備銀行が政策金利の発表を行う。米中が合意に達した場合、中国製品に対する関税を撤廃するとの報道があり、豪ドルとNZドルは上昇している。2月の豪住宅許可件数やサービス業PMIが回復を見せ、豪経済指標は予想を上回っていた。先週のAUD/USDは急落していたが、豪中銀への期待感から政策金利の発表を前に安定している。前回の政策会合が行われた際、ロウRBA総裁は豪経済成長率とインフレ予想を下方修正した。海外リスクの高まりや住宅市場における需要に警戒感を示し、政策金利の見通しを中立としたことで、AUD/USDは急落した。

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RBAの見解から投資家の間では2019年度の利上げは行われないとのハト派的な見方が強まった。下記の経済指標一覧から、経済状況は前回の政策決定会合時より改善していることが窺えるが、我々はRBAは引き続き警戒感を維持すると見ている。その背景としては、RBAは米中間での追加関税発動が延期されたことに対して楽観的であるが、合意がなされるまでは豪経済の見通しには引き続きリスクが残るということがある。今年度の金利がまだ公表されていないので、AUD/USDは下落基調であるものの、RBAが楽観的な見方を表明すれば反発する可能性がある。一方で、NZドルは豪ドルとの相関が強いため、NZ乳製品価格の発表はNZドルを大きく動かすとは考えられない。