ボーイング第1四半期決算は安心出来るものではないかもしれないが、長期的見通しは明るい

 | 2019年04月18日 14:46

* 4月24日の寄付き前に決算発表

* 予想売上高:230億ドル

* 予想EPS:3.25ドル

ボーイング社(NYSE:BA)は未だ同社の最人気機種の2件の墜落死亡事故という設立以来最大の悲劇から立ち直れていない。しかし来週4月24日に予定されている第1四半期決算報告において、心配する投資家を落ち着かせる機会を得られるかもしれない。

ボーイングは、5ヶ月間で2件続いた墜落事故を受けて737の製造を19%減少させるとともに同機種の設計・開発を見直す委員会が発足している。

第1四半期決算において株主は、737 MAXの世界的な運航停止が同社の売上にどれほど影響があるのかということや、今後の長期成長戦略等について知りたがるだろう。

同社の先行きは米国経済にとっても重要な意味を持つ。1960年代に導入された737は、航空機業界最高の売上を誇るモデルでボーイングの稼ぎ頭であった。

737 MAX注文に対する前受金は同社初の売上高1000億円突破に一役を買った。この好調な売上は同社時価総額を2500億ドルに押し上げていたが、10月にインドネシアライオン航空の737 MAX墜落事故、先月にエチオピア航空の同じく737 MAX墜落事故が立て続けに発生した。

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737 MAXはボーイングの製品売上高、EBITに最も貢献しており、ゴールドマンサックスによると、向こう5年間に渡り同社EBITの45%を占める可能性があると見られていた。

クレディスイスによると、一連のネガティブな出来事により同社の今年のキャッシュフローは、予想キャッシュフローの約4分の1にあたる37億ドルが減少すると見られている。

通常運転の再開は難航

ボーイングの経営陣はカンファレンスコールにおいて、通常時の生産状態に戻るのにどれほどかかるのかという重要な問いに答えなければならない。しかしながらその答えは、各地域での各種取り調べの結果や、ソフトウェア修理の早期解決、世界各地での737 MAXの運航再開など様々な要因に左右される。

すぐさま通常状態に戻ることはとても考えにくい。同社のエンジニアは、ライオン航空・エチオピア航空の両事故に繋がったと考えられる失速防止装置のソフトウェアアップデートに未だ奔走している。未だ技術的解決策を見い出せていないとはいえ、両事故の原因がそれぞれ異なるという最悪のシナリオには陥っていないというのは、同株にとって不幸中の幸いと言える。

しかしながら同株は今年の失調から復活しているわけではない。737 MAXの売れ行きに関する混乱はまだ続いており、カンファレンスコールにおいてもその見通しが得られるとは期待されていない。同社株は3月10日のエチオピア航空墜落事故以来10%安で、昨日の終値は381.72ドルであった。