原油市場が米イランの軍事的緊張に反応しない4つの理由

 | 2019年05月17日 18:33

※この記事は2019年5月16日8:07(GMT)に投稿されたものです。

米国とイランとの緊張が高まっている。5月12日に米国の同盟国のサウジアラビアなどのタンカーが破壊的攻撃を受けたことにより、米当局はイランを後ろ盾する勢力の関与を疑い、ペルシャ湾周辺への海軍・空軍の勢力を強化している。イランはホルムズ海峡の封鎖警告をしており、「米国が動けば、我々は相応の対応を取ることになるだろう」としている。

このような情勢の中で、原油市場は大きく反応していない。従来では、中東問題に対して原油市場は敏感に反応していた。

5月12日、アラブ首長国連邦(UAE)のフィジャイラ沖で、サウジのタンカーなど2隻、UAE船籍1隻、ノルウェー船籍1隻が損傷を受けたとUAEが発表したが、原油価格の上昇はたった2%に過ぎなかった。

5月14日、サウジの石油パイプライン施設が爆破物を積んだドローンによる攻撃を受けたとの発表があった。パイプラインはその日閉鎖せざるを得なくなった。しかし、その日原油価格は1.5%のみの上昇であった。そして、14日のNY時間終了時にはすでにこれらの上昇は打ち消されていた。

アプリを入手する
Investing.comで、世界の金融市場の最新動向をチェックしましょう!
今すぐダウンロード