米国市場の楽観ムードはどこから来ている?3M、キャタピラー決算から読み解く

 | 2019年06月26日 02:44

現在は米国株式市場の先行きを判断するのが難しい時期と言えそうだ。企業の利益や成長を損ないうる悪材料が多く出揃っているにも関わらず、投資家はそうした材料にもポジティブに向き合っていると考えられる相場となっているからだ。

米中貿易摩擦や米国経済の減速が懸念される中、6月21日大引け後までの1ヶ月でS&P 500は6%高となっており、6月も株式市場は底堅かった。更にダウ平均株価が0.4%高に留まる一方で、6月20日にS&P 500は史上最高値を更新している。

この強気市場に疑問を呈する向きがあれば、メーカーのような景気敏感株を分析するのがいいだろう。

直近の強気相場がファンダメンタルズに支えられているものなのか否か確認するため、我々は以下のメーカー大手2銘柄をピックアップした。

h2 1. スリーエム/h2

米国電気・化学メーカー大手のスリーエム(NYSE:MMM)の株価は、2018年初めにピークを迎えて以来下げ相場が続いている。2018年1月以降株価は23%以上下落しておりすぐに回復する兆しも見えない。年初来では8.5%安で、6月21日の終値は173.35ドルとなっている。