Investing.com | 2019年07月19日 12:41
※この記事は2019年7月18日に投稿されたものです。
原油市場では、ハリケーンバリーによるメキシコ湾到来で米原油生産は一定の被害を受けたが、被害は想定よりも限定的となった。また、米国とイランの緊張が緩和したという材料も原油の値下げを加速させ、原油が下降トレンドに入っている。
ハリケーンの影響はEIAの週次原油在庫統計(週報)を見ると明らかになる。7月12日発表された週報によれば、原油製品と石油製品は共に輸出量が減少したが、輸入量の減少で相殺となっていた。
メキシコ湾における原油生産の減少量は、一時1日当たり100万バレルを超えていた。しかし、原油在庫は減少こそしたものの、想定していたほどのものではなかった。メキシコ湾における原油の生産は今週初めまで再開せず、来週の週報においても生産停止の影響は見られるだろう。
米国内のガソリンと石油蒸留物の在庫は、予想を上回る増加であった。ガソリン在庫は360万バレル増加し、石油蒸留物在庫は570万バレル増加した。軽油の精製等に用いられる石油蒸留物は、需要の弱さに加え、ハリケーンによる輸出減によって、原油在庫の増加に繋がった。
ガソリンとジェット燃料の需要は2019年を通して高かったが、石油蒸留物は一貫して低いままだった。これには主に2つの理由が考えられる。まず1つは米中貿易戦争により、輸送にディーゼル燃料を用いる産業が悪影響を受けたことだ。2つめはトラック輸送業界が現在低調な中で、ディーゼル燃料の使用量がここ数年と比較して減少している事だ。また、春に米中西部で発生した洪水により農業が被害を受け、結果としてトラクターなどの農業機械に使われるディーゼル燃料が減っているという事もまた、トラック業界と同様にディーゼル燃料使用量の低下を招いている。
米国イラン間の緊張の高まりを受けて、たびたび原油価格は上昇していた。しかし、16日にイランが米国に対し、米国がサウジアラビアやUAEなどへの武器輸出を停止するという条件で、交渉に応じる構えを見せたという報道を受け、原油は大幅に下落した。
イランが交渉を進める可能性があるという材料で、WTI原油先物は3.3%下落した。また、ポンぺオ米国務長官がイランとの交渉が進展したことを示唆した際では4.2%下落となっていた。すなわち米国イラン間の緊張が高まらない限り原油価格は下落し、両国で戦争が始まらない限りは、価格が上がることはないと考えられる。
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