米原油在庫の減少こそが原油価格上昇のカギ

 | 2019年07月25日 09:00

現在の産油国外交は、5ヶ国以上が瀬戸際政策を展開しているという信じがたい時代を迎えている。しかし実際に徹底しているのは、イランだけだろう。

イランは現在イギリスとタンカー拿捕についての問題を抱えているものの、同時に次期英国首相であるボリス・ジョンソン氏と和解を目論んでおり、このことからも同国の巧妙さが窺い知れる。

また米国はイランに対し強力な制裁を加えているものの、同国に要望を飲ませることは厳しそうに見える。

ペルシャ湾における緊張がここまで高まり、原油のリスクプレミアムが小さく不安定なことは滅多にない。

今回の政治問題に関わっている米国、イギリス、サウジアラビア、UAE、そしてイランさえも実際に戦争を望んでいるわけではないというのは、もはや周知の事実となっている。

これに原油需要に対する懸念が高まっていることも重なり、市場は現在弱気となっている。

h2 望ましくない政治問題/h2

米国が対イランの制裁強化に動いてから、原油価格はほぼ想定通りの動きとはなっていない。