エクソンモービル対シェブロン、貿易戦争下ではどちらが良い?

 | 2019年08月21日 19:28

ボラティリティの高い原油市場に伴って、石油メジャーの株価も激しいボラティリティに晒されている。エクソン・モービル (NYSE:XOM)は4月末までに22%高となった後、下落に転じている。シェブロン (NYSE:CVX)も同様の値動きを見せている。

現在の米中貿易戦争を受けて、原油需要は鈍化し、原油市場は下押しされている。

この弱い需要見通しの中、SPDR S&P石油・ガス探鉱生産ETF (NYSE:XOP)は過去10年間で最低水準まで値を下げている。進展の遅い通商協議やそれに伴う不確実性を考慮すると、同ETFがすぐに回復するとは考えにくい。その一方で、貿易戦争における勝者の原油メジャーを見極めるのに最適なタイミングであると考えられる。

巨大なバランスシートや多角化した事業を有する石油メジャーは、貿易戦争において小規模な同業他社をアウトパフォームするはずである。以下ではスーパーメジャーであるエクソンモービルとシェブロンに焦点を当てる。

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1.エクソンモービル/h2

米国のスーパーメジャーの中で、エクソンモービルは最も投資家からの人気がない。同株は過去5年間での短期・長期的な上昇局面において競合をアンダーパフォームしていた。同社の純利益は他社と比べて変動が激しい。第1四半期には精製事業の不調によって低い利益を記録した。一方、第2四半期は化学部門の利益が前年同期比約80%減となり、足を引っ張っていた。しかし、同社はこのような状況を一時的な問題であるとしている。