チャート分析:ロシア、中国が金を押し上げる

 | 2019年09月12日 18:53

中国とロシアの金の保有量が増加しているのはなぜだろうか?

現在の中国の金の保有量は1950トン、ロシアは2200トンを超えた。

中国の保有量は現在世界第6位であり、ロシアは第5位である。ロシアは、保有量増加に伴い、4位のフランスを抜く勢いである。

両国は米国と長らく争っている関係である。現在では中国は米中貿易戦争、ロシアは米国から経済制裁を課されている。今後の対立が激化した際に制裁から逃れられるために、米ドルや米国債から金へのシフトが進んでいることが窺える。

中国では米国債の保有を過去2年間の最低水準、ロシアでは過去12年間の最低水準までに減少している。

また、国際通貨基金(IMF)が昨年末に発表した外貨準備に占める米ドルの比率は61.9%と縮小し、5年ぶりの低水準となっていた。世界の中央銀行は貿易戦争が始まって以来、米国に起因するリスク回避のため、ドルの保有を減らしている。

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米中貿易戦争で中国は、米国債売却のカードを切ることはないとする向きが多いが、このシナリオが現実となる可能性は着実に高まってきている。