【決算前プレビュー】危機を迎えたボーイング、底は未だ見えず

 | 2019年10月23日 14:27

・10月23日寄り付き前に第3四半期(7-9月期)決算報告発表

・予想売上高:195億6000万ドル

・予想EPS:2.08ドル

世界最大の航空機メーカーであるボーイング(NYSE:BA)の受難は未だ続いている。同社の新型機「737MAX」におけるネガティブなニュースは途絶えることなく、捜査が続く中で投資家の期待を裏切る結果となっている。

3月13日以来運航停止となっていた737MAXの運航が再開される期待が高まった矢先、事態は再び混乱へと陥った。先週のウォールストリートジャーナルの報道によれば、ボーイングのエンジニアやパイロットは737MAXの飛行制御システムについて3年前にも懸念を示していたが、安全性の承認において上司から「不当な圧力」を受けていたため、米連邦航空局(FAA )に対し同社は今年まで事態を報告していなかったというのである。

737MAXは競合他社との競争に打ち勝つための重要なカギであったものの、5ヶ月のスパンも開けずに発生した2回の墜落事故によりその未来は暗いものとなった。

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同機の運航再開の見通しが立たない限り、同社の評判や財務見通しへの影響を把握しきることはできないだろう。

同社が1960年代後半に発売した737は、航空業界で最も売れたモデルであり、ボーイング最大の収益源ともなっている。その再設計モデルである737MAXについてもかつては好調であり、既に納入済みのものも含め、5000機以上、総額6000億円を超える注文を受け付けた。しかし現在に至っては同機のもたらすリターンは減少に歯止めがかからなくなっている。ブルームバーグによれば、納入の遅れにより発生した費用は既に84億ドルを超えているという。

株価下落/h2

報道やFAAとの確執を受け、18日の同社株の終値は6.8%安の344.00ドルとなった。これは2016年2月以来となる大幅な下落であり、ダウ平均株価の構成銘柄の中でも最大規模の下落となった。