米国の原油生産量は頭打ちか?

 | 2019年11月15日 17:26

原油価格を予測するにあたって投資家を悩ませているのが、2020年に米国がどれほどの原油を生産するかという問題である。シェール革命以来、米国の原油生産量は毎年増加しており、遂には日量1260万バレル(bpd)にまで達した。

ただ近頃ではシェールオイル産業が安定期に入るという兆候も存在しており、石油産業の先行きは不透明なものとなってきている。

EIAは米原油生産量の予想を上方修正/h2

EIAは先日、2020年の米原油生産量の予想を平均1317万bpdから1329万bpdにまで引き上げた。しかし予想を下方修正でなく上方修正するという動きには大いに疑問が残る。実際問題、今回のEIAの予想についてパイオニア・ナチュラル・リソーシズ(NYSE:PXD)のスコット・シェフィールドCEOは、「あまりに楽観的」と述べている。

一方でゴールドマンサックスは2020年の米原油生産量の予測を下方修正した。同社は原油生産量の成長予想を、100万bpdの増加から70万bpdの増加にまで引き下げている。IHSマークイットも予想を下方修正しており、2020年の成長予想をわずか44万bpdにまで引き下げている。

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またOPECのモハメド・バルキンド事務局長もシェフィールド氏と同意見のようだ。今週初め、CNBCの取材に対しバルキンド氏は「シェールオイル生産者をはじめとする原油生産者と会談を行った結果、原油生産量は今後ますます減速するのではという懸念が高まっていることが判明した」とした上で、これらの原油生産企業から「現在様々な逆風に向き合っていることを踏まえると、自分たち(原油生産企業)と比較して我々の見方は楽観的だと伝えられた」と述べた。