チャート分析:予想外のOPECによる追加減産は、原油価格を60ドル台へ戻す

 | 2019年12月03日 16:41

WTI原油は今後上昇する見込みがある。それは、産油国が今月に行われるOPEC総会で追加減産を検討していることと、中国の景気後退が一段落しそうという理由である。WTI原油は50.99ドルを底に、12月3日から続伸する可能性がある。

つい最近まで市場の見方としては、OPEC総会で追加減産が決定されることはほぼないという見通しであった。

しかしイラクのThamir Ghadha石油相は12月1日(日)、40万バレル/日の追加減産が検討されていると述べた。そして、OPECプラスの産油国はさらなる追加減産を検討していることを示唆していた。

RBCキャピタルマーケットのHelima Croft氏は以下の様に述べる。

「大番狂わせがない限り、コンプライアンスの強化により追加減産されるだろう。妥協的な結果となれば原油価格の上昇は僅かとなるかもしれないが、追加減産は価格を大きく押し上げることになるだろう」
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また財新マークイットが発表した11月の中国の製造業PMIは4月ぶりに上昇し、2016年12月以来の高水準となった。これは中国の景気後退が一段落したと読むことができるだろう。

中国は最大の輸入国であり、原油需要が高まる見通しがつく。もちろん、これは「第一段階」の米中貿易合意に基づく観測であり、この一つの指標で判断する訳にはいかないだろう。

原油価格は2日では1.2%の窓を開け、日中最大1.5%高となっている。