YUTA | 2020年04月27日 10:45
ドミノ・ピザの2020年1-3月期の決算は、まずまずの結果でした。
ピザの宅配サービスは新型コロナウイルスで世界中の街で外出禁止令が出たとしても、サービスの継続さえ出来ていれば売上の影響を受けにくいです。ドミノ・ピザは私も2020年になってから買っている銘柄です。
新型コロナウイルスは幅広い企業に影響するといいますが、どうも新型コロナウイルスの売上低迷にはパターンがある気がします。この記事では売上低迷するパターンを考え、そのパターンに当てはまらない企業は新型肺炎の影響を受けにくい企業を探します。
正直言って、1-3月は新型コロナウイルスの影響は良くも悪くもあまりなかったのかなと思うような結果でした。ただし、決算発表時に同時に公表された3-4月の売上を見ると、新型コロナウイルスはドミノピザの売上に大きく影響を与えている様子が見えました。
サービスを継続できているアメリカでの売上は急増したものの、一方で1750店が一時閉店になった海外の売上は急減しています。
新型コロナウイルス前と状況があまりに変化しているために、既に発表していた今後2-3年の業績見通しが撤回されました。また、決算発表した後の市場でも株価はマイナス5%で取引開始されるなど、悲観的な見方が広がっています。
ただ、私はこのドミノ・ピザにはまだ強気です。売上のほとんどは北米から来ています。この北米の売上が好調のうちは、この企業の売上は問題ないと個人的には思っています。
この記事のポイント
ドミノ・ピザの1-3月期の結果は、一株利益も収益もアナリストの事前予想を上回る良い結果でした。
この記事のポイント
単位100万ドル | 1Q20 | 1Q19 | 前年比 |
---|---|---|---|
収益 | 873 | 836 | 4% |
営業利益 | 156 | 144 | 9% |
営業利益率 | 17.8% | 17.2% | – |
純利益 | 122 | 93 | 31% |
利益率 | 14% | 11% | – |
一株利益 | 3.07 | 2.20 | 40% |
なかなか良い数字が並ぶ中で、アメリカでの既存店舗売上の成長は伸び悩んでいる印象があります。
ドミノ・ピザの売上は米国が中心になっているので、既存店の低迷の傾向は気がかりです。
h2 売上が大きく変動した4月/h2決算発表された1-3月期はそれほど新型コロナウイルスの影響を受けたようには見えませんでした。
しかし、同時に発表された第2四半期の最初の1ヶ月(3月23日から4月19日)の売上は、ウイルスに大きく影響を受けたようです。
3/23-4/19の売上
米国と海外の売上の違いですが、米国の店舗はほぼ全てで営業が出来て、アメリカ以外の海外のドミノ・ピザでは1750店舗が一時的に営業ができない状態になったことが大きかったようです。
店舗の営業さえ出来てれば、都市封鎖中はアメリカのように宅配ピザの需要が大きいはずなのですが、世界の一部の街のように一時的に店舗閉鎖の状況に追いやられると大きなダメージを負うようです。
ただし、北米の業績が伸びている限りは、アメリカ国外の売上が多少沈んでも問題はないのではと個人的には考えています。
h2 北米中心のドミノ・ピザの売上/h2売上構成を見てみると分かるのですが、ドミノ・ピザの売上はほとんど北米から来ているからです。
ドミノ・ピザの売上構成
「ドミノ・ピザでもっとも売上規模が大きいサプライチェーンってなんだ?」と思われるかも知れませんが、ドミノ・ピザの収益は店舗の98%がフランチャイズ店で、どの店舗も同じ味になるようにフランチャイズ店へピザ生地や食材、調理に必要な器具などを買ってもらっています。ドミノ・ピザでは米国とカナダのフランチャイズ店への食材・器具の売上がサプライチェーンとして計上されています。
上の円グラフを見る限り、ドミノ・ピザは売上のほとんどが北米から来ているので、新型コロナウイルスが世界で猛威を奮っても、北米の売上さえ順調であれば売上は順調に推移するはずです。
しかし、懸念材料がないわけではありません。今後のアメリカでの新型コロナウイルスの動き次第でドミノ・ピザ店舗の閉店や、(無事にウイルスが収束した場合の)宅配ピザの需要が急減しないとも限らないからです。
基本的にドミノ・ピザは楽観的に見ていてこれからも株の保有を継続するつもりですが、経営陣が言うように今度はどのような売上になってもおかしくないので、2020年4-6月期もこの会社の売上は注意してみたいと思います。
著者:YUTA
blog:YUTAの米国株投資ブログ
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