米国株にひっそりと忍び寄るリスク。わずかに上昇を始める米長期金利。

 | 2020年06月05日 12:17

今の米国株を取り巻く市場環境は平和だという記事をつい先日書きました。

金利が低く抑えられてインフレ率も高くなく、株価が上がりやすい環境が続いているという内容の記事でした。

それからわずか2-3日間しか経ってないのですが、ほんの少しだけ気がかりな点が出てきました。この数日間、金利が上昇ペースを上げているように見えます。

全く慌てるレベルではないですが、4-6月は大量に米国債が発行されて金利が上昇しやすい状態にあるので、ちょっと注意して金利を観察したほうが良いかも知れません。

今は低い金利環境を前提に株価が上昇しているので、もしも金利の上昇が続くと株価を支えられてなくなる恐れがあります。

遠くの空に雲が見えはじめた程度のリスクなので、株の売却などの行動を起こす予定はまだないですが、上昇しやすくなっている金利をFRBの大量の国債購入で無事に抑え込めるのか見守りたいと思います。

この記事のポイント

  • 長期金利(10年国債利回り)がわずかに上昇している。10年国債利回りよりも変動しやすい30年国債利回りを見てみると、上昇傾向がよりはっきりと見られる。
  • 長期金利が低いほど株価は上がりやすい。今の株価は低金利を理由に上昇してきたが、金利が上がれば株価は上昇理由を失う。
  • 今後FRBは国債を購入して金利上昇を抑え込んでくるはずだが、うまく金利上昇を回避できるか注目。

わずかに上昇するアメリカの長期金利/h2

4月以降、アメリカの長期金利(10国債利回り)は0.6-0.7%の間をさまよっていたのですが、6月3日以降の数日間はこの範囲を逸脱して上昇を始めています。