FRBの配当制限を受け、銀行株の配当は不透明

 | 2020年06月30日 11:55

新型ウイルスを受け、FRBは銀行に対して、配当や自社株買いに制限を課している。

FRBは26日、大手銀行33行に対し、少なくとも9月までは増配や自社株買いを認めない方針を示した。

今回の決定はFRBが毎年行っているストレステスト(健全性審査)の後に行われた。FRBは2008年のような金融危機を回避するために、銀行の配当や自社株買い、債権回収計画などに介入できる。

また、FRBのストレステストでは、銀行の配当額が過去4半期の平均純利益を超えてはならないと規定している。

FRBのランダル・クオールズ銀行監督副議長は「銀行の状況を注意深く評価し、今後数か月の間、自己資本比率を維持するための慎重な措置を取るように大手銀行へ要求している」と述べた。また、以下のように語った。

「銀行はこのような厳しい状況下においても十分な資本を維持している」

数か月に及ぶ新型ウイルスの中、大手銀行は株主への還元政策を変更しなかった。2020年第1四半期、米大手商業銀行のバンク・オブ・アメリカ (NYSE:BAC)やシティグループ (NYSE:C)、JPモルガン・チェース (NYSE:JPM)、ウェルズ・ファーゴ(NYSE:WFC)は全て配当を支払っており、JPモルガンとウェルズ・ファーゴは純利益を上回る額の配当であった。

アンダーパフォーム/h2

KBW銀行株指数 (NASDAQ:KBWB)は26日、6.4%安となった。