大幅な利益低下が予想される決算シーズンの注目ポイント

 | 2020年07月07日 11:46

7月も中旬から2020年第2四半期(2Q)の決算が続々と発表されます。

この2020年2Qは4月に見られた新型コロナウイルス感染防止のための全米の都市封鎖の影響を受けて、アナリストたちが深刻な業績不振を予想している決算期でもあります。

ただし、低迷が予想されていること自体は問題ではありません。アナリスト達の利益予想が低いということは、決算発表でアナリストの予想を超えるためのハードルは既にかなり低くなったとも言えます。予想超えの決算なら、株価は上昇するはずです。

個人的には20年2Qの決算発表を消化して「企業の今後の見通しの改善(今後12ヶ月の利益予想の引き上げ)が起こるか」に注目しています。見通しの改善が起こるのなら、米国株に見られる割高感が少しは改善されるはずです。

逆に、今後の利益予想が悪化するようなら、株は割高の警戒感が出てきてしまいそうです。

この記事のポイント

  • 2020年の第2四半期のS&P500のアナリスト達による企業利益予想は、いまだかつてない引き下げが起こった。
  • 7月の決算期を経て、今後12ヶ月のS&P500の一株利益予想が増えるのか減るのかに注目。
  • 業績回復見通しが強まれば、株の割高感が改善される。一方で、景気の回復の低迷見通しが続くようだと米国株の割高感は依然として残る。

企業利益の急減速を予想するアナリスト/h2


アナリスト達は2020年2Qの決算発表で、かなり悲観的な数字を予想しています。

通常でもアナリスト予想は最初は楽観的で、だんだん決算発表が近づくにつれて予想を引き下げて悲観的になる傾向がありますが、2020年2Qは過去5年間で比較してもかなり大幅な予想の引き下げが起こりました。