YUTA | 2020年07月16日 13:54
ゴールドマン・サックス (NYSE:GS)の2020年4-6月期の決算が発表されました。結果はかなり良かったです。
景気の悪化を見越して貸倒れ引当金(返済されないと予想される金額を予め損として計上するお金)を予想以上に増加しましたが、それでも収益・利益ともに予想を上回る結果になりました。
4-6月はたしかにアメリカの景気はかなり低迷したのですが、一方で市場は株も債権も絶好調でした。ゴールドマン・サックスは経済の影響よりも市場の好影響を強く受けて、4半期の収益としては歴代2番目に大きな数字記録しています。
この記事のポイント
しかし、ゴールドマン・サックスがここまで好決算だったのも久しぶりです。過去3回の決算ではいずれも利益が予想を下回っていて、利益・収益がそろって予想を超えるのは2019年4-6月期以来です。
そもそも2010年代はS&P500に大きくリターンで負け越していただけでなく、他の銀行のJPモルガン・チェースにも大きく出遅れていたのですが、今後は巻き返しがあるか気になるところです。
ゴールドマン・サックス部門名
今期は売上規模が大きいグローバル・マーケットが好調でした。4-6月は株式市場はS&P500が+20%と好調で、債権市場も良かったため機関投資家向けの株・債権収入が伸びたようです。
投資銀行部門では株や社債の引受け収入が増えて、この部門の4半期の収益額は歴代最高値を記録しています。
部門(10億ドル) | 2Q20年 | 構成比率 | 前年比 |
---|---|---|---|
投資銀行業務 | 2.7 | 20% | +36% |
グローバルマーケット | 7.2 | 54% | +93% |
資産管理業務 | 2.1 | 16% | -18% |
消費者・富裕層向けサービス | 1.4 | 10% | +9% |
合計 | 13.3 | 100% | +41% |
今期のゴールドマン・サックスの好調な要因は実に多いですが、主要なものは以下4つです。
ゴールドマン・サックスの今期の好調の要因
逆に不調な部門は、ゴールドマン・サックスの資金で運用を行う資産管理部門くらいでした。非公開株での投資で損を出しているようですが、その損の一部も公開株への投資の運用で相殺できたといいます。
2020年4-6月期のゴールドマン・サックスの決算を見ていきましたが、久々の好決算となりました。
この銘柄は知名度は高いのですが、2010年代の10年間のリターンは年率わずか4.5%と大きく低迷していました。S&P500が年率13.4%、JPモルガン・チェースが15.6%に比べても、物足りなさを感じます。
ゴールドマン・サックスの巻き返しがあるか、今後も注目していきたいと思います。
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